「マルタ 投資家ビザ」と調べると出てくるのは、多くの場合、マルタ永住権プログラム(Malta Permanent Residence Programme、MPRP)のことです。正式には「ビザ」ではなく、永住の居住資格を与える制度です。この記事では、運営機関のResidency Malta Agencyの公式ページに書かれた要件と金額だけを根拠に、費用の内訳、家族の範囲、国籍との違いを整理します。2026年10月4日時点の確認結果で、投資・税務・法律の助言ではありません。必ず公式サイトと専門家で最新情報を確認してください。
MPRPは、不動産・政府拠出金・NGOへの寄付・管理手数料の4つを組み合わせた制度です。公式ページでは、管理手数料6万ユーロ、政府拠出金3万7,000ユーロ、NGO寄付2,000ユーロ、カード手数料1人500ユーロ(5年分)が示され、主申請者1人の場合、これらの合計は9万9,500ユーロ(約1,761万500円、1ユーロ=176.99円)です。ほかに不動産の購入(375,000ユーロ以上)か賃貸(年14,000ユーロ以上)と、資産要件があります。申請は認定エージェント経由で、国籍は別の制度です。
「投資家ビザ」が指す制度
Residency Malta Agencyの公式ページは、MPRPを「2016年に設立された、非EU・非EEA・非スイス国籍者向けの、投資による居住(residency-by-investment)の制度」と説明しています。与えられるのは永住の居住権で、「ビザ」というより居住資格です。日本のパスポートを持つ人は、これらの「第三国国民」に当たりますが、個別の審査があるため、対象になるかは申請の段階で確認が必要です。
長期居住(Long-Term Residence)など、通常の永住の流れはマルタ永住権の条件と費用の記事と、マルタ移住の条件記事に整理しています。この記事は、その中でも投資ルートだけを詳しく扱います。
要件の構造:4つの柱と資格条件
公式ページによると、MPRPは次の4つで構成されています。
- 不動産への投資(購入または賃貸)
- 政府への拠出金
- NGOへの寄付
- 管理手数料
申請者の資格条件として、公式ページは次の点を挙げています。
- 非EEA・非スイスの第三国国民で、制裁対象国の出身でないこと
- 本人と扶養家族を、社会扶助に頼らず養える安定した収入があること
- 資産が50万ユーロ以上で、うち15万ユーロが金融資産であること、または65万ユーロ以上で、うち7万5,000ユーロが金融資産であること
- 犯罪歴がなく、国家の安全などの脅威とならないこと
資産要件の円換算は、50万ユーロが約8,849万5,000円、65万ユーロが約1億1,504万3,500円です(1ユーロ=176.99円、ECB参考レート、2026年10月2日)。

費用の内訳:公式ページの数字
| 項目 | ユーロ | 円の目安 |
|---|---|---|
| 管理手数料(返金不可) | 60,000 | 約1,061万9,400円 |
| 政府拠出金 | 37,000 | 約654万8,600円 |
| NGOへの寄付 | 2,000 | 約35万4,000円 |
| 居住カード手数料(1人・5年分) | 500 | 約8万8,500円 |
| 成人の扶養家族1人あたり(配偶者を除く) | 7,500 | 約132万7,400円 |
| 不動産:賃貸の場合の最低年額 | 14,000 | 約247万7,900円 |
| 不動産:購入の場合の最低額 | 375,000 | 約6,637万1,300円 |
主申請者の「手数料・拠出金・寄付・カード手数料」の合計は9万9,500ユーロ(約1,761万500円)で、不動産費用と扶養家族の手数料は含みません。公式ページによると、条件を満たす不動産は5年間は保持が必要で、その後も居住用の不動産を維持する必要があります。認定エージェントへの報酬と健康保険の費用は、このページに金額が書かれていないため、載せていません。
申請の流れと期間
公式ページによると、申請は認定エージェント(Licensed Agent)を通じて提出する必要があります。審査は、申請に含まれるすべての人と、寄付者や取引先まで及ぶ「多段階のデューデリジェンス」で行われ、結果は「合理的な期間内に」伝えられると書かれています。具体的な日数や月数は、このページには書かれていないため、この記事では期間を示しません。
申請時には、有効な旅券、マルタとヨーロッパ各国でのリスクをカバーする健康保険が必要です。給付として、公式ページは、マルタに永住できること、シェンゲン域内を180日のうち90日まで査証なしで移動できること、申請時に一時的な居住を申請できることを挙げています。
家族の範囲
公式ページには、「1つの申請に最大4世代まで含められる」と書かれています。成人の扶養家族には、配偶者を除いて1人あたり7,500ユーロの手数料がかかります。誰が家族として含められるかの細かい定義や、子どもの手数料はこの記事では確認できていないため、認定エージェントまたは公式窓口で確認してください。
永住権と国籍は別の制度
公式ページには、「MPRPは永住権を与える制度で、国籍に関する別の法規定とは異なる」と書かれています。国籍についての2025年のEU司法裁判所の判決は、2020年の投資家市民権制度に関するもので、MPRPとは別の話です。国籍の整理はマルタ国籍取得の記事にまとめています。

税金と、決める前に確認したいこと
MPRPの公式ページは、居住者としての課税については触れていません。永住権を得ることと、どの国でどう課税されるかは別の問題です。日本とマルタの両方の税務の扱いは、税理士などの専門家に確認してください。
- 資産要件と費用を、自分の資産で無理なく満たせるか
- 認定エージェントへの報酬や保険など、公式ページに金額のない費用の見積もり
- 日本の税務上の扱い(専門家に確認)
- 制度が変わる可能性(必ず公式サイトで最新情報を確認)
物価や暮らしの費用感はマルタと東京の物価比較の記事、在留資格の選択肢はマルタのビザ種類の記事、リモートワーカー向けの別の居住許可はマルタ ノマドビザ完全ガイドで確認できます。
日本人が現実的に考えるときの目安
資産要件だけで50万ユーロ以上(約8,849万円)が必要なため、多くの留学・ワーホリ・就労を考える人にとっては、現実的な選択肢ではありません。まず現地の暮らしが自分に合うかを確かめたい段階なら、学生・ワーホリ・就労のほうが入りやすい道筋です。留学先そのものを比べている段階ならマルタとフィリピン留学の比較記事も参考になります。マルタ移住・就職の現実はマルタ移住・就職ガイドにまとめています。
暮らしの話なら、マルタ在住3年のエマ(Instagram @jecrs687)にDMで聞くこともできます。エマは投資・ビザ・法律の相談には乗りません。
主な出典
- Residency Malta Agency「Malta Permanent Residence Programme (MPRP)」
- Residency Malta Agency 公式サイト
- EU司法裁判所 プレスリリース No 52/25(2025年4月29日、C-181/23)
- 欧州中央銀行(ECB)ユーロ対円参考レート
最終確認: 2026-10-04
よくある質問
マルタの投資家ビザとは何ですか?
一般に、マルタ永住権プログラム(MPRP)を指す呼び名です。Residency Malta Agencyの公式ページでは、不動産・政府拠出金・NGO寄付・管理手数料の組み合わせで永住の居住資格を得る制度と説明されています。
費用はいくらかかりますか?
公式ページでは、管理手数料6万ユーロ、政府拠出金3万7,000ユーロ、NGO寄付2,000ユーロ、居住カード手数料1人500ユーロの合計が9万9,500ユーロ(約1,761万500円)です。不動産の費用、扶養家族の手数料、エージェントの報酬は別です。
不動産を買えば永住権をもらえますか?
いいえ。不動産は4つの要件の一つで、購入なら375,000ユーロ以上、賃貸なら年14,000ユーロ以上が条件です。ほかに拠出金、寄付、管理手数料、資産要件などを満たす必要があります。
家族も一緒に申請できますか?
公式ページでは、1つの申請に最大4世代まで含められるとされています。成人の扶養家族は、配偶者を除き1人あたり7,500ユーロです。詳しい範囲は公式窓口で確認してください。
マルタの国籍ももらえますか?
いいえ。公式ページは、MPRPが永住権を与える制度で、国籍に関する別の法規定とは異なると書いています。国籍の整理は国籍の記事を参考にしてください。
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エマはマルタのスウィーイ(Swieqi)に3年住み、IT関連の仕事をしています。投資・ビザ・法律のアドバイスはできませんが、長く住むことを考えたときの暮らしの話、たとえば治安のよいエリアや到着後の過ごし方なら、DMで気軽にどうぞ。通常は数分以内に返信があります。
アイキャッチ写真: Txllxt TxllxT / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0



