比較・長期滞在

マルタ移住・就職ガイド2026 ― 需要業種と給与相場、居住権の費用感

· マルタJP編集部

マルタ 移住を検索する人の多くが最初につまずくのは、実際にどの業種なら日本人でも仕事を見つけやすいのかという情報の少なさだ。マルタはEU加盟国でありながら人口53万人ほどの小さな島国で、求人市場もIT、iGaming(オンラインギャンブル関連)、ホスピタリティ、そして語学力を活かしたカスタマーサポートに偏っている。この記事では、需要のある業種、給与水準、公式の求人サイト、学生から就職への現実的なルート、そして居住権にかかる費用感を2026年9月時点の事実ベースで整理する。

先に断っておくと、本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではない。またビザ手続きの代行案内でもない。ビザ・在留資格・手数料に関わる最終判断は、必ずIdentità(マルタの移民・身分証当局)の公式情報で確認してほしい。制度は変わるため必ず公式確認を。

要点: マルタで求人が比較的多いのはiGaming・IT・ホスピタリティ・多言語カスタマーサポート(日本語対応)の4分野。カスタマーサポートの給与は年収1万8,000〜2万8,000ユーロ、IT系は2万4,000〜3万ユーロ程度が目安(2026年、freemalta.com/Glassdoor調べ・本文にリンクあり)。就労にはIdentità発行のSingle Permitが必要で、初めて申請する人には事前講習(Pre-Departure Course)の修了が求められる。政府手数料の金額は改定されるため、必ずIdentità公式サイトで最新額を確認すること。

需要のある業種

動画: ひょんなことからヨーロッパ / YouTube

マルタの経済はオンライン・ギャンブル(iGaming)関連企業の集積地として知られ、Bet365やEvolutionをはじめとする多くのオペレーターやゲームスタジオがセント・ジュリアンズ〜パチェヴィル(Paceville)エリアにオフィスを構えている。ここではカスタマーサポート、コンプライアンス、マーケティング、ゲーム開発など幅広い職種の求人が出る。次に規模が大きいのがITセクターで、ソフトウェア開発、ITサポート、データ関連の求人が中心だ。さらに観光業を支えるホスピタリティ(ホテル、レストラン)も通年で人手不足気味であり、シーズン中は特に募集が増える。日本語を含む多言語カスタマーサポートは、日本語話者が少ないマルタでは希少人材として評価されやすい分野でもある。

iGaming企業のオフィスが集まるパチェヴィル地区
写真: UrbanMalta / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

シュウィーイでIT関係の仕事をしながら3年ほどマルタで暮らしているエマ(Emma、Instagram @jecrs687)は、英語ゼロの状態でマルタに来てから今の職に就くまでの経験をたびたびシェアしており、フォローしておくと現地のテック業界の雰囲気が伝わってくる。ただし、就労ビザや在留資格に関する個別の相談には対応していない点は理解しておきたい。

給与水準の目安

職種 目安年収(グロス) 備考
カスタマーサポート(英語のみ) 1万8,000〜2万ユーロ 未経験可の求人が多い
カスタマーサポート(日本語・独語等) 2万3,000〜2万8,000ユーロ 多言語プレミアム求人
iGamingカスタマーサポート(ジュニア) 2万〜2万8,000ユーロ iGaming業界内
ITサポート 約2万4,000〜3万ユーロ 平均は約2万6,511ユーロ
iGamingミドル〜シニア 3万5,000〜6万5,000ユーロ 経験・職種による

出典:freemalta.com「Customer Support Salary in Malta for Foreigners 2026」、freemalta.com「iGaming Jobs Salary in Malta: Entry Level Guide 2026」、Glassdoor「It Support: Average Salary & Pay Trends 2026 – Malta」。給与は経験・企業規模・語学スキルで大きく変動するため、あくまで目安として扱ってほしい。

求人サイトと探し方

マルタ政府の公式雇用局であるJobsplusは、求人検索だけでなく雇用統計や労働市場データも公開している公的機関だ。民間求人サイトとしては、iGaming特化のポータルや、LinkedInでの直接応募も一般的。多くの求人票には求められる英語レベル(B2〜C1相当)が明記されており、応募前に自分の英語力とのギャップを確認しておくと無駄な応募を減らせる。英語力の伸ばし方から逆算したい場合はマルタ 語学学校 エリア別マップも参考になる。

首都バレッタのメインストリート、リパブリック通り
写真: Txllxt TxllxT / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0

学生から就職への現実的なルート

語学留学からそのままマルタで就職する人は一定数いるが、道筋は単純ではない。現実的な流れとしては、(1)語学学校でB2程度まで英語力を上げる、(2)並行して現地で求人に応募し面接を受ける、(3)内定が出た段階で雇用主とともにIdentitàへSingle Permitを申請する、という順序になることが多い。学生ビザのまま就労することはできないため、就職が決まった時点で在留資格の切り替え手続きが必要になる。この切り替えのタイミングと必要書類は個々の状況で変わるため、必ずIdentità公式サイトで最新情報を確認してほしい。留学から入る場合の国選びはヨーロッパの語学留学先を比較した記事、留学中の生活イメージはマルタ留学生の1日のスケジュールも参考になる。

マルタ大学のキャンパス
写真: Christian Camenzuli / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0

居住権の費用感

就労と居住をカバーするSingle Permitについては、2026年9月時点で各種案内に、新規申請の政府手数料600ユーロ、2年目以降の更新150ユーロ、雇用主の変更600ユーロ、職務内容の変更300ユーロという金額が示されている。ただしこれらの金額はIdentità公式サイト上の料金ページで直接確認できたものではなく、改定される可能性があるため参考値として扱ってほしい。あわせて、初めてSingle Permitを申請する人には、渡航前に受講するPre-Departure Course(事前講習)の修了が求められる仕組みがIdentitàの案内に設けられている(受講料は別途必要)。いずれも政府に支払う費用であり、エージェントに依頼する場合はさらにサービス料がかかる。この制度と金額は変わるため、必ずIdentità公式サイト(identita.gov.mt)で最新の要件と金額を確認すること。在留資格ごとの公式手数料の整理はマルタ 移住 費用|在留資格別の公式手数料、給与から差し引かれる所得税・社会保険料の仕組みはマルタ 税金の基礎で確認できる。

日本語求人・手取り・向き不向き

日本人がマルタで最初の職を得るルートとして最も現実的なのは、日本語対応のカスタマーサポート職だ。iGamingやEC、旅行関連の企業が日本市場向けにチャット・メール対応の担当者を募集することがあり、英語のみの求人より給与が上乗せされる傾向がある。ただし日本語求人は英語求人に比べて母数が少なく、募集時期も不定期なので、常に一定数の枠があるとは考えないほうがいい。具体的な職種や働き方はマルタ 日本語 求人|カスタマーサポート職の現実で詳しく扱っている。

もう一つ見落としやすいのが、前掲の給与はすべてグロス(額面)だという点だ。実際の手取りは所得税と社会保険料が差し引かれた額になり、さらに家賃が収入に占める割合は日本の感覚より大きくなりやすい。求人を比較するときは、額面の高さだけでなく、家賃補助や健康保険の有無、試用期間の条件まで確認しておくと、移住後の家計の見通しが立てやすくなる。

正直に言えば、マルタは誰にとっても最適な移住先ではない。英語力を短期間で安く上げることだけが目的なら、フィリピン留学の方が費用面で合理的な場合がある。英語圏で幅広い業種の求人から選びたい人には、労働市場の規模が大きいアイルランドの方が選択肢は多いだろう。一方で、EU圏で温暖な気候の中、iGamingやITなど特定業界でキャリアを積みたい人にとって、マルタは検討に値する移住先と言える。

出典・注意点

本記事は2026年9月時点で確認できた次の情報をもとにしている。Identità「Single Permit」、Jobsplus(マルタ政府雇用局)、在マルタ日本国大使館、および前掲のfreemalta.com・Glassdoorの給与データ。給与相場・手数料・在留制度はいずれも変動するため、申請や転職の判断をする前には必ず公式情報で最新の内容を確認してほしい。

マルタ vs 他国比較の記事は、比較・長期滞在カテゴリからまとめて確認できます。

よくある質問

マルタでは日本人でも仕事が見つかりやすい?

iGaming、IT、ホスピタリティ、日本語対応カスタマーサポートの4分野は比較的求人があるが、英語力(多くの求人でB2〜C1相当)が前提になる。誰でもすぐ見つかるわけではない。

学生ビザから就労ビザへ切り替えられる?

制度上は雇用が決まればSingle Permitへの切り替えを申請できるが、審査や条件は個別のケースによって異なるため、必ずIdentità公式サイトで最新の要件を確認する必要がある。

居住権の取得にはどれくらい費用がかかる?

各種案内ではSingle Permitの政府手数料600ユーロ前後が目安とされているが、金額は改定されうる参考値。初回申請者には事前講習の修了も求められる。正確な金額と要件は必ずIdentità公式サイトで確認すること。

マルタの日本語求人はどんな職種が多い?

中心はiGamingやEC、旅行関連企業の日本市場向けカスタマーサポートで、英語のみの求人より給与が上乗せされる傾向がある。ただし募集数は少なく不定期なので、英語求人と並行して探すのが現実的。

マルタ移住はどんな人に向いている?

EU圏の温暖な環境でiGamingやITなど特定業界の経験を積みたい人には向いている。英語を安く学ぶことが最優先ならフィリピン、幅広い業種から仕事を選びたいならアイルランドの方が合う場合もある。

写真(トップ): MrPanyGoff / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0

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エマ(Emma)はブラジル生まれ・イタリア育ちの20代。スウィーイ(Swieqi)に住んで3年目、IT関係の仕事をしています。英語ゼロから始めて今は流暢、日本語も少しずつ勉強中。語学学校選び、安全なエリア、最初の1週間のコツ、カフェでお茶やグループでのお出かけ — インスタのDMで気軽に聞いてください。返信はだいたい数分以内。(ビザ相談・空港送迎・住まいの保証はしていません。)

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