「マルタ 就労ビザ 条件」で検索している人の多くは、すでに内定やオファーをもらっていて、次に何をすればいいのか分からない段階だと思います。マルタで働くための在留資格はSingle Permitと呼ばれ、就労許可と居住許可がひとつになった制度です。求人情報そのものではなく、内定後の申請手続き・必要書類・処理期間・雇用主変更の流れを知りたい人向けに、この記事ではIdentità(マルタ移民・身分証当局)の公式ページをもとに2026年9月20日時点の制度を整理します。
Single Permitは就労許可と居住許可が一体になった6ヶ月超の在留資格で、申請は本人ではなくJobsplus登録済みの雇用主が行います。法定の処理期間は4ヶ月ですが、平均は2ヶ月程度とされています。更新は原則毎年で、期限の90日前から手続きを始め、更新手数料は150ユーロ、雇用主変更の手数料は600ユーロです。高度技能者向けのKey Employee Initiative(KEI)を使うと、想定処理期間は5営業日まで短縮されます。これらの数字はすべてIdentità公式ページに明記されている情報です。
Single Permitとは — 就労許可と居住許可が一つに
Identitàの公式ページによると、Single Permitは「Subsidiary Legislation 217.17によって規定される一時的な許可で、第三国国民に対して6ヶ月を超える一定期間、マルタでの合法的な居住と就労を認めるもの(更新可能)」と説明されています。単一の申請手続きの中に就労許可と居住許可の両方が組み込まれているのが特徴です。なお、この制度は非EU国籍者(third-country nationals)向けで、EU国籍者にはEU Nationals向けの別のセクションが適用されるとIdentitàのサイト構成上区分されています。マルタでの求人事情そのものを知りたい場合はマルタ移住・就職ガイドの記事も参考になります。
公式ページは、Single Permitの保有者ができないことも明記しています。「申請書に記載された雇用主以外から支払いを受ける有償の業務を行うこと」「申請書に記載された雇用活動に関連しない無許可の業務を行うこと」「マルタ国外で業務を行うこと」の3つは認められないとされています。副業や別会社での勤務は、この許可の範囲外になる点に注意してください。なお、これは学生ビザ保有者のアルバイトとは別の制度です。学生の就労時間の上限についてはマルタ留学中のアルバイトの記事で解説しています。
誰が申請するか — 雇用主主導
Identitàの「Who is Eligible?」ページには「第三国国民はSingle Permitの申請を直接行うことはできず、雇用予定の雇用主がオンラインで代理申請する必要がある」と明記されています。雇用主自身もJobsplusに登録されている必要があります。申請時点で、申請者本人が本国など国外に滞在している(Still Abroad)か、有効な居住許可またはビザによってマルタで合法的な滞在資格を持っていることが条件です。難民認定などの保護資格に基づいてシェンゲン圏(マルタを含む)に滞在している人は、この制度の対象にならないとも記載されています。

資格要件
資格要件そのものについて、この記事では「適格かどうか」を判定することはしません。公式ページが示しているのは、マルタに登録・営業している企業から雇用オファーを受けていること、その雇用主がJobsplusに登録されていることという枠組みです。審査の結果、Subsidiary Legislation 217.17の基準を満たさないと判断された場合、申請は返金なしで却下されるともされています。自分のケースが要件を満たすかどうかは、必ず雇用主とIdentitàに直接確認してください。
必要書類
Identitàの「Documents Required」ページによると、代表的な必要書類は次のとおりです。パスポート原本と全ページの写し(申請日から少なくとも8ヶ月以上の残存有効期間が必要)、Europass形式で本人が署名したCurriculum Vitae、最低10万ユーロの補償額を持つ健康保険(マルタ滞在期間全体をカバー)、雇用主と本人の双方が署名した雇用契約書の原本の写しなどです。一部の申請者には健康診断証明書の提出も求められます。これらは「代表的な」書類であり、申請の種類によって追加・変更される場合があるとページ自体が注記しています。
処理期間とその間の在留資格
Identitàの「Application Processing Period」ページには、「Subsidiary Legislation 217.17は処理期間として4ヶ月を許容しているが、必要書類が揃った状態での申請からの平均処理期間は2ヶ月程度」と明記されています。申請状況は雇用主がSingle Permit Onlineポータルから、申請者本人もメールで受け取ったリンクから、それぞれ確認できる仕組みです。処理を待っている間の在留資格の扱いについては、このページ自体に具体的な記載がないため、この記事では断定しません。不明点は必ずIdentitàに直接確認してください。

更新と雇用主変更
Single Permitは原則として毎年更新され、手続きは新規申請時とほぼ同じ流れです。「更新申請は現在の許可がまだ有効なうちにしか提出できない」とされ、期限前に更新申請をしないと不法滞在の状態(移民法違反)に陥る可能性があると明記されています。処理時間を確保するため、更新手続きは期限の90日前から始めるべきとされ、健康診断が必要な場合は期限の30日前からの申請に限定されます。更新の手数料は150ユーロです。
雇用主を変更する場合は、新しい雇用主が「Change of Employer」の申請を行います。前職を退職してから60日以内であれば、在留状況が一時的に移民法上「不規則(irregular)」とみなされる状態であっても、新しい雇用主による申請が処理対象になり得るとされています。60日を超えた場合は、Subsidiary Legislation 217.17に定められた要件と手続きに従う必要があります。手数料は雇用主変更が600ユーロ、事業譲渡(合併を含む)が300ユーロです。就労先が決まったあとの住まい探しについてはマルタの部屋探しの記事にまとめています。
高度人材ルート — Key Employee Initiative
高度な技能を持つ第三国国民向けに、Key Employee Initiative(KEI)という迅速手続きが用意されています。Identitàのページには「KEIはSingle Permit手続きの迅速版で、高度技能を持つ第三国国民が対象。申請書類がすべて揃った状態で提出されてから、想定される処理期間は5営業日」と明記されています。通常のSingle Permitの平均処理期間(約2ヶ月)と比べると、KEIの対象になれば大幅に短縮される可能性がある一方、対象となる資格・職種の詳細要件は別ページで確認する必要があり、この記事ではその詳細には立ち入りません。
よくある間違い5つ
- 本人がオンラインポータルで直接申請できると誤解する(実際は雇用主が申請)。
- 雇用主がJobsplusに登録されているかどうかを確認しないまま話を進めてしまう。
- 更新手続きを期限ギリギリまで待ち、90日前という推奨開始時期を過ぎてしまう。
- 転職時に、前職の退職から60日以内という猶予期間を意識せずに動いてしまう。
- パスポートの残存有効期間が申請日から8ヶ月に満たない状態で書類を提出してしまう。
Single Permitで実際にマルタの職場に通ってみてどう感じるかは、制度の説明だけでは分からない部分です。マルタで3年暮らし、IT関連の仕事をしているエマ(Instagram @jecrs687)に、生活面の感覚だけ聞いてみるのも一つの方法です。ビザの審査や書類の可否についてのアドバイスはできませんが、日々のマルタ生活はストーリーズで発信しており、DMには数分以内に返信することが多いといいます。マルタと他の留学・移住先を比較検討している段階の人はマルタとフィリピン留学を費用・環境で比較した記事も、そもそもマルタのビザ制度全体を確認したい人はマルタのビザ種類の記事もあわせてご覧ください。
主な出典
- Identità「Single Permit」概要
- Identità「Single Permit – Who is Eligible?」
- Identità「Single Permit – Documents Required」
- Identità「Single Permit – Application Processing Period」
- Identità「Single Permit – Renewal」
- Identità「Change of Employer」
- Identità「Key Employee Initiative」
最終確認: 2026-09-20
よくある質問
マルタの就労ビザ(Single Permit)の条件は?
マルタに登録・営業する企業から雇用オファーを受け、その雇用主がJobsplusに登録されていることが前提です。申請はSubsidiary Legislation 217.17の基準に基づいて審査され、基準を満たさない場合は返金なしで却下されるとされています。
期間はどれくらいかかりますか?
法定の処理期間は4ヶ月ですが、必要書類が揃った状態での申請からの平均処理期間は2ヶ月程度とIdentitàは案内しています。高度技能者向けのKey Employee Initiativeを利用できれば、想定処理期間は5営業日です。
誰が申請するのですか?
申請者本人ではなく、Jobsplusに登録された雇用主がオンラインで代理申請します。第三国国民本人が直接申請することはできません。
必要書類は?
代表的なものとして、8ヶ月以上の残存有効期間があるパスポート、署名済みのEuropass CV、最低10万ユーロ補償の健康保険、双方署名済みの雇用契約書などがIdentitàのページに挙げられています。申請内容によって追加書類が求められる場合があります。
転職したらどうなりますか?
新しい雇用主が「Change of Employer」の申請を行います。前職の退職から60日以内であれば申請が処理対象になり得るとされ、手数料は600ユーロです。60日を超える場合は別途の要件が適用されます。
手続きの合間に、生活面の疑問はエマに聞いてみませんか
オファーは出たけれど手続きが分からない——そんな時こそ、IT関連の仕事をしながらマルタで3年暮らすエマに、日々の生活の感覚を聞いてみるのがおすすめです。DMは普段数分以内に返信があり、無理な勧誘や手数料は一切ありません。
写真(トップ): Frank Vincentz / Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0



