「マルタ留学 なぜ安い」と検索する人の多くは、すでに他の留学先の見積りを見て「マルタは相場より安そうだけど、質が低いから安いのでは」と半信半疑になっています。結論から言うと、マルタが安いのには構造的な理由があり、同時に「安くない部分」もはっきり存在します。この記事では2026年9月20日時点のEU公式統計と学校の公開価格をもとに、何が安くて何が安くないのかを項目別に分解します。
マルタが安い最大の理由は、EU域内で最低賃金が994ユーロ/月(2026年7月時点、Eurostat)と低い水準にあり、学校の人件費・運営費が西欧より抑えられていること。ただし航空券(直行便なし)と夏の繁忙期料金は安くなく、家賃も年々上がっています。「授業料と滞在費は安いが、航空券とハイシーズンは別」というのが正確な理解です。
結論:何が安く、何は安くないか
マルタ留学が「安い」と言われるのは、主に授業料と滞在費のことです。実際にMalta University Language School(MULS)の一般英語コースは短期でも週180ユーロから、Atlas Language Schoolの学費+宿泊込みパッケージも週425ユーロからと、西欧の主要都市に比べて手を出しやすい水準にあります(いずれも2026年9月20日時点の各校公式価格)。一方で、航空券と夏の繁忙期料金は「安い」の対象に入りません。この記事ではその境界線をはっきりさせます。安さの代償になりやすいポイントはマルタ留学のデメリットをまとめた記事、期間別の総額は費用の記事で確認できます。
| 項目 | 安い理由 | 注意点 |
|---|---|---|
| 授業料 | 人件費が低い、学校密度が高く競争が働く | 6〜9月のハイシーズンは加算あり(学校例:MULS週180EUR〜) |
| 滞在費(学生寮・郊外) | 西欧主要都市より割安な水準 | 家賃は近年上昇傾向、数年前の相場は当てにならない |
| 学費+宿泊パッケージ | 一括見積りで総額が把握しやすい | 学校例:Atlas週425EUR〜(オールインクルーシブ) |
| 航空券 | 該当なし | 日本からの直行便なし、経由便が前提でコストがかさむ |
授業料が安い理由
授業料が安い最大の理由は人件費です。欧州連合統計局(Eurostat)によると、マルタの国内最低賃金は月994ユーロ(2026年7月時点)で、EU加盟国の中でも「月1,000ユーロ未満」のグループ(マルタ、エストニア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ラトビア、ブルガリア)に入ります。さらにマルタの最低賃金の伸び率は年平均+3.2%で、フランスに次いでEUで2番目に低い伸び率です(2016年7月〜2026年7月、Eurostat)。学校スタッフの人件費が西欧の主要都市より抑えられていることが、授業料の水準に直接反映されています。加えてマルタは国土が小さいエリアに語学学校が密集しているため競争が働きやすく、EU域内という立地上、ビザなしで通える国が多いことも価格競争を後押ししています。
滞在費が安い理由と、崩れつつある前提
滞在費についても、学生寮のシェア部屋や郊外エリアのホームステイは西欧の主要都市より割安な水準にあります。ただしこれは「今のところ」の話で、マルタの家賃は近年上昇傾向にあると各種の現地報道や学校側の案内でも言及されており、数年前の相場感をそのまま信じるのは危険です。具体的な家賃の統計はこの記事では示しませんが、複数校から最新の見積りを取ることをおすすめします。日々の生活費の内訳はマルタの物価データの記事で確認できます。

航空券は安くない:直行便なしのコスト
マルタが「安い留学先」と言われるときに見落とされがちなのが航空券です。日本からマルタへの直行便は就航しておらず、マルタ国際空港にはターキッシュ エアラインズ、カタール航空、ルフトハンザ、エミレーツ航空などが乗り入れています(2026年9月20日時点のマルタ国際空港の就航路線情報より)。イスタンブールやドーハ、フランクフルトなどを経由するルートが基本になり、フィリピンや東南アジアの主要都市に比べると飛行時間も乗り継ぎも長くなりがちです。学費・滞在費の安さだけで比較すると見誤るのはこの部分で、渡航費は必ず別枠で確保しておく必要があります。

季節で価格が倍近く動く
マルタの学校料金は季節で大きく動きます。Atlas Language Schoolは6月13日〜9月6日に週90ユーロの「サマー割増」、MULSは6月14日〜8月27日に週35ユーロの「ハイシーズン加算」を設定しています(いずれも2026年9月20日時点で各校が公開している価格表より)。夏休みと重なる時期は学校も滞在先も予約が集中するため、同じコースでも支払う金額は時期によって大きく変わります。「マルタは安い」という評判は、繁忙期を避けた場合の話だと考えたほうが正確です。
フィリピン留学との構造的な違い
フィリピン留学との価格差についてこの記事では具体的な金額を示しません。学校形態(マンツーマン中心か、グループ中心か)や滞在費の含まれ方が国によって大きく異なるため、単純な週単価の比較は誤解を招きやすいからです。詳しい費用比較はマルタ vs フィリピン留学比較の記事にまとめているので、そちらを参照してください。構造的に言えるのは、マルタはEU圏でヨーロッパ言語環境に囲まれた学習になる一方、フィリピンはマンツーマン形式が主流で授業時間あたりの単価が異なる、という前提の違いです。
「安い」の代償
安さには理由があるとはいえ、代償もあります。ひとつはクラスの国籍構成です。学校や時期によって特定の国籍に偏ることがあり、「英語だけの環境」を期待していたのに母国語が飛び交うクラスになることもあります。もうひとつは夏の混雑です。ハイシーズンは生徒数が増えるため、教室も滞在先も手狭に感じやすく、静かに集中したい人には不向きな時期になります。安さだけで判断せず、自分が何を優先するかを先に決めておくことが大切です。
「安い=質が低いのでは」という不安は、実際に住んでいる人に聞くのが一番早いかもしれません。マルタ在住3年目のエマ(Instagram @jecrs687)は、この価格と生活実感のギャップについて率直に話せる相手です。留学エージェントではないので、勧誘や紹介料は一切ありません。渡航前に気になる点をDMで聞いてみるのも一つの方法です。
どの層にとって本当に得か
マルタの価格構造からすると、得をしやすいのは「4〜12週間程度の中期滞在で、ヨーロッパ言語環境も同時に体験したい人」です。逆に、航空券のコストを最小化したい人や、繁忙期の夏しか休みが取れない人にとっては、価格面のメリットが薄れます。滞在が短いほど航空券が総額に占める割合は大きくなるため、1〜2週間だけの弾丸滞在では「マルタは安い」という実感を得にくい点も覚えておいてください。自分の休みが取れる時期と滞在期間を先に決めてから、料金表と照らし合わせるのがおすすめです。留学全体の流れはマルタ留学の完全ガイドで確認できます。
主な出典
- Eurostat「Minimum wage statistics」
- Malta University Language School「General English Course」料金表
- Atlas Language School Malta「Course Fees」
- マルタ国際空港「就航航空会社」
- 欧州中央銀行(ECB)ユーロ参照為替レート(2026年9月18日付)
最終確認: 2026-09-20
よくある質問
マルタ留学はなぜ安いのですか?
マルタの国内最低賃金が月994ユーロ(2026年7月時点、Eurostat)とEUの中で低い水準にあり、学校の人件費・運営費が西欧の主要都市より抑えられていることが主な理由です。学校密度が高く競争が働きやすい点も影響しています。
安いのは質が低いからですか?
価格の安さは主に人件費・地価などの構造的な要因によるもので、授業の質と直接連動するとは限りません。ただしクラスの国籍構成や繁忙期の混雑など、価格以外に確認すべき点はあります。
フィリピンとどちらが安いですか?
学校形態や滞在費の含まれ方が異なるため単純比較は難しく、この記事では具体的な金額を示していません。詳しい費用比較は関連記事にまとめています。
航空券込みでも安いですか?
航空券は「安い」の対象に入りません。日本からの直行便がなく、経由便での渡航が基本になるため、渡航費は学費・滞在費とは別枠で確保しておく必要があります。
今も安いのですか?物価上昇の影響は?
マルタの家賃は近年上昇傾向にあるとされており、数年前の相場感をそのまま信じるのは危険です。最新の料金は必ず学校の公式サイトで確認してください。
一番安い時期はいつですか?
学校によって多少異なりますが、Atlas Maltaは6月13日〜9月6日、MULSは6月14日〜8月27日をハイシーズンとして追加料金を設定しています。この時期を外すと総額を抑えやすくなります。
「安い理由」が本当か、現地のエマにも聞いてみませんか
マルタ在住3年目のエマは、価格と生活実感のギャップについて率直に話せる現地の友達のような存在です。DMは普段数分以内に返信があります。留学エージェントではないので、無理な勧誘や手数料は一切ありません。
写真(トップ): Silar / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0



