マルタの病院・薬局ガイド2026|緊急時の受診方法と保険まとめ
マルタ 病院 薬局の使い方が分からないまま到着すると、いざ体調を崩したときに一番困ります。公立病院と民間クリニックのどちらに行けばいいのか、薬局はいつ開いているのか、保険は本当に必要なのか——この記事では2026年9月時点で確認できる情報をもとに、留学生・ワーホリ・旅行者それぞれが知っておくべき受診フローをまとめました。
マルタの医療制度はイギリス式のNHSモデルに近く、公立病院は原則マルタ居住者向けです。滞在期間や滞在資格によって使える窓口が変わるため、来る前に流れを把握しておくと現地で慌てずに済みます。
マルタの医療制度、公立と民間の違い
マルタの医療は大きく分けて公立(Government)と民間(Private)の2系統があります。公立病院はマルタ居住者やEU圏のEHIC/GHIC保有者であれば基本的に無料で利用できますが、留学生など短期滞在の外国人は対象外になるケースが多く、実質的に民間保険での受診が前提になります。一方、民間クリニックは誰でも自由診療で受診でき、その場で保険会社への請求書(レシート)をもらえるため、加入している留学生保険でカバーされるかどうかを事前に確認しておくとスムーズです。
| 項目 | 公立病院(マーター・デイ) | 民間クリニック |
|---|---|---|
| 費用 | 居住者・EHIC保有者は原則無料 | 自由診療、実費(保険で後日請求可) |
| 待ち時間 | 救急は症状の重さで優先順位が決まるため長くなりがち | 予約制で比較的短い |
| 向いているケース | 事故・高熱・骨折など緊急性が高い症状 | 風邪・軽い胃腸炎・処方箋の更新など |
公立病院マーター・デイの使い方
マルタの中心的な公立病院がMater Dei Hospital(マーター・デイ病院)です。ムシーダ(Msida)地区にあり、2007年6月29日に開院して旧セント・ルークス病院を引き継ぎました。マルタ本島の主要な公立総合病院で、マルタ大学の教育病院も兼ねており、救急部門(A&E)も併設されています(ゴゾ島には別途ゴゾ総合病院があります)。多くのバス路線がムシーダのバスハブを経由するため、スウィーイやスリーマなど北部のエリアからは乗り換えなしで到着できることが多いです。エリアごとのアクセスの違いはマルタの住むエリア比較でも紹介しています。タクシーアプリを使う場合は「Mater Dei Hospital」と入力すれば正確な場所に案内してくれます。

救急部門は緊急性の高い症状(事故、高熱が続く、意識障害など)を優先して診察するトリアージ方式のため、軽症で訪れると数時間待たされることも珍しくありません。骨折や強い腹痛、事故によるけがなど「今すぐ診てもらう必要がある」症状のときに使う場所と考えておくとよいでしょう。
民間クリニック(GP)という選択肢
風邪、軽い胃腸炎、皮膚のトラブル、処方箋の更新といった日常的な体調不良には、民間クリニック(GPクリニック)の利用がおすすめです。スリーマやセントジュリアンには複数のクリニックがあり、予約すれば当日〜翌日に診察を受けられることが多く、英語でのやり取りも一般的です。診察料はクリニックによって異なりますが、多くの留学生保険は診察料と処方薬の一部をカバーしているため、受診前に保険証券の補償範囲を確認しておくと安心です。
持病がある人や継続的に薬が必要な人は、渡航前に日本の主治医から英語の診断書(できれば処方薬の一般名=ジェネリック名入り)をもらっておくと、現地のクリニックでの説明がぐっとスムーズになります。この準備はマルタ留学の持ち物リストでも触れているので、渡航前チェックリストと合わせて確認してください。
薬局の営業ルールと当番薬局
マルタの薬局(Pharmacy/Spiżerija)は市街地に点在しており、風邪薬や胃腸薬、絆創膏などの市販薬はどこでも購入できます。平日は日本のドラッグストア感覚で立ち寄れますが、日曜・祝日は交代制の「当番薬局(ロタ制)」のみが営業する点に注意してください。当番薬局の一覧は各薬局の店頭掲示や地元紙で確認できます。処方薬が必要な場合は、薬剤師に症状を伝えれば市販で対応できる範囲か、クリニックの受診が必要かをその場で教えてくれることが多いです。
日本から持参する常備薬は、英語の説明書きか処方箋のコピーを一緒に入れておくと入国時にも安心です。市販薬は成分の組み合わせが日本と違うことが多いので、頭痛薬や整腸剤など「いつも使っているもの」は多めに持っていくと現地で探し回らずに済みます。

緊急時の対応と112番
事故や急病など緊急性が高いときは、迷わず112番に電話してください。112はEU共通の緊急番号で、EU域内ならどこからでも無料でかけられ、救急車・消防・警察のいずれにもつながります。固定電話からでも携帯電話からでも発信でき、SIMカードが入っていない端末からでも通報が可能です。英語で「場所」「症状」「人数」を伝えるのが基本です。とっさに英語が出てこない場合に備えて、住所や滞在先の英語表記をスマホのメモに保存しておくと安心です。SIMの契約状況によって通話の安定性が変わることもあるため、日頃からマルタのSIMおすすめを参考に通信環境を整えておくことをおすすめします。
受診で使う英語フレーズと事前準備
医療英語は難しそうに見えますが、実際の受付で必要なのは10個ほどの短い表現だけです。以下をスマホのメモに入れておけば、症状の入口は伝えられます。
- I’d like to see a doctor.(診てもらいたいのですが)
- I have a fever / a sore throat / a stomach ache.(熱/のどの痛み/腹痛があります)
- It started three days ago.(3日前から始まりました)
- I’m allergic to ○○.(○○にアレルギーがあります)
- I’m taking this medication.(この薬を飲んでいます)+薬の箱を見せる
- Could I have a receipt for my insurance?(保険請求用の領収書をもらえますか)
最後の一文が意外と重要で、これを言い忘れると保険金請求のときに困ります。診断名(diagnosis)と支払額が明記された領収書をその場でもらうのが鉄則です。渡航前には、①保険証券のPDF、②パスポートの顔写真ページ、③常用薬の一般名リスト、④滞在先の英語住所——この4点をスマホとクラウドの両方に保存しておくと、慌てて探す事態を避けられます。英語のやり取りに自信をつけたい人はマルタの言語交換イベントで日常会話に慣れておくのも遠回りのようで効きます。
留学生・ワーホリに必要な保険
90日を超えてマルタに滞在し、居住許可(レジデンスパーミット)を申請する場合、申請書類の一部として健康保険の加入証明を求められるのが一般的です。語学学校経由で留学する場合は学校指定の保険パッケージに加入するケースが多く、個人で渡航する場合は日本の海外旅行保険や留学生保険を出発前に手配しておくと安心です。保険の詳細な条件や必要書類は申請時期によって変わるため、最新情報はマルタの出入国・在留管理当局であるIdentitàの案内で確認するのが確実です。生活費全体の中で保険料をどう見込むかはマルタの生活費ガイドでも整理しているので参考にしてください。
保険を選ぶときは、金額の安さより「キャッシュレス提携病院があるか」「歯科と携行品はカバーされるか」「上限額はいくらか」を見比べるのが実用的です。マルタは民間クリニックでいったん自己負担して後日請求する流れが多いので、立て替え払いに耐えられるクレジットカードの限度額も一緒に確認しておきましょう。
ちなみに、体調を崩して英語での説明に不安があるときは、スウィーイに住んで3年になるエマ(Instagram @jecrs687)に相談する留学生も多いです。ビザや保険の専門的なアドバイスはできませんが、症状の伝え方や近くのクリニックの場所くらいなら、DMすれば数分で返信をくれます。マルタでの日常はInstagramのストーリーズでも発信しているので、フォローしておくと安心材料になります。
よくある質問
マルタの病院は無料で受診できますか?
マーター・デイ病院などの公立病院はマルタ居住者やEU圏のEHIC/GHIC保有者は基本的に無料で受診できますが、留学生など短期滞在者は民間保険の加入が前提になることが多いです。民間クリニックは自由診療で実費がかかります。
マルタの緊急番号は何番ですか?
救急車・警察・消防共通の緊急番号は112です。112はEU共通の緊急番号で無料通話でき、SIMが入っていない携帯電話からでも発信できます。英語での対応が基本です。
薬局は日曜も開いていますか?
マルタの薬局は日曜・祝日に交代制で営業する「ロタ制(当番薬局)」を採用しています。当番薬局は各薬局の店頭掲示や地元紙で確認できます。
留学生に健康保険は必須ですか?
90日を超えて滞在し居住許可を申請する場合、健康保険の加入証明の提出が一般的に求められます。詳細は申請時期のIdentitàの案内を確認してください。
病院で英語は通じますか?
マルタの公用語はマルタ語と英語で、医療現場でも英語が広く通じます。日本語対応は基本的にないため、症状はシンプルな英語で伝える準備をしておくと安心です。
軽い体調不良でもマーター・デイの救急に行くべきですか?
軽度の風邪や打撲などは民間クリニック(GP)の方が待ち時間が短く効率的です。マーター・デイの救急は緊急性の高い症状を優先するため、軽症だと長時間待つ場合があります。
まとめ
マルタでの受診は「緊急なら公立のマーター・デイ、軽症なら民間クリニック」という使い分けが基本です。薬局の当番制と112番の存在さえ覚えておけば、体調を崩したときにも落ち着いて行動できます。保険の手配は渡航前に済ませておき、マルタの治安ガイドやマルタ移住・就職ガイドもあわせて読んでおくと、生活全体の見通しが立てやすくなります。困ったときの相談先の一つとして、現地のマルタ生活ガイド一覧もブックマークしておいてください。
写真(トップ): Continentaleurope / Wikimedia Commons · CC BY 4.0



