マルタ旅行の完全ガイド2026として、行き方・観光・費用・ベストシーズンをこの1本にまとめました。マルタ旅行を計画するとき、最初にぶつかる壁は情報が英語中心で、日本語の実用的な情報が少ないことです。地中海に浮かぶ小さな島国マルタは、首都バレッタが丸ごと世界遺産に登録され、透明度の高い海と城塞都市の景観を同時に楽しめる、ヨーロッパでも独特な旅行先です。この記事では、行き方からエリア別の観光、交通、費用まで、マルタ旅行の全体像を整理しました。
正直に言うと、日本からの直行便はなく、移動には往復で2日近くかかります。夏はかなり暑く、バスは時刻表通りに来ないこともよくあります。それでも、小さな島に凝縮された歴史とビーチ、食文化を考えると、乗り継ぎの手間を補って余りある旅行先だと感じます。
マルタ旅行の要点 直行便はなく乗り継ぎ必須(所要15〜20時間)。ベストシーズンは4〜6月・9〜10月。本島の四大エリアはバレッタ・イムディーナ・スリーシティーズ・マルサシュロックで、ゴゾ島・コミノ島は日帰りか1泊で。4泊6日の予算目安は約19万〜32万円です。
マルタってどんな国?
マルタはシチリア島の南、地中海のほぼ中央に位置する島国で、人口は約53万人。公用語はマルタ語と英語で、観光地では英語が問題なく通じます。マルタ本島、ゴゾ島、コミノ島の3つの有人島からなり、それぞれ雰囲気が異なります。かつてマルタ騎士団やイギリスの統治下にあった歴史から、街並みにはバロック様式の建築と英国式のインフラが混在しています。車は左側通行、コンセントはイギリスと同じ3ピンのBFタイプ、通貨はユーロです。
国土は東京23区の半分ほどしかなく、本島ならバスでもほとんどの観光地に1時間前後で行けます。島の位置関係を先に頭に入れておくと旅程が組みやすくなるので、マルタの地図とエリアの位置関係もあわせて見ておくのがおすすめです。映画やドラマのロケ地としても知られ、ポパイ村やイムディーナの街並みは数多くの作品に登場しています。気になる人はマルタのロケ地ガイドもチェックしてみてください。
マルタへの行き方
日本からマルタへの直行便はありません。イスタンブール(トルコ航空)、ドーハ(カタール航空)、ドバイ(エミレーツ航空)、ローマ・ミラノなどヨーロッパ都市を経由するのが一般的です。総所要時間は乗り継ぎ込みで15〜20時間、往復航空券は15万〜21万円が目安(2026年9月時点)です。
中東経由は1回の乗り継ぎでマルタまで行けるのが強み。ヨーロッパ経由はローマやミラノに数日滞在してからマルタへ入る、周遊型の旅程と相性が良いです。ローマからは格安航空会社の便も多く、飛行時間は1時間半ほど。ただし別切りの航空券で乗り継ぐ場合、前の便が遅れても次の便は待ってくれないので、乗り継ぎ時間は最低でも3〜4時間は確保しておくと安心です。
マルタ国際空港からの移動は、空港発の急行バスが便利です。X4がバレッタ方面、X2がスリーマ・セントジュリアンズ方面へ向かいます。深夜着や荷物が多い場合は、空港のタクシーカウンターか配車アプリを使うと確実です。
日本のパスポートならシェンゲン協定の範囲で短期滞在の観光にビザは不要です。ただしヨーロッパでは渡航認証制度ETIASの導入が予定されているため、出発前に外務省や在マルタ日本大使館などの公式情報で最新の入国条件を確認しておきましょう。
ベストシーズンと服装
マルタは地中海性気候で、夏(7〜8月)は最高気温30度前後まで上がり(猛暑日は35度超)、冬(12〜2月)でも最高気温15〜17度と比較的温暖です。観光に最も快適なのは気温が穏やかな4〜6月と9〜10月。海水浴を楽しみたいなら、海水温が26度前後になる8〜9月がベストです。
夏は日差しがとにかく強く、日陰の少ない遺跡や城壁の上では想像以上に体力を消耗します。帽子・サングラス・日焼け止めは必須で、観光は午前中と夕方に寄せ、昼の時間帯はカフェや博物館で過ごすのが現地流です。紫外線対策の具体的なコツはマルタの紫外線・日焼け対策で解説しています。
冬は気温こそ穏やかですが、雨の日や風の強い日があり、石造りの建物は室内が冷えます。薄手のダウンや重ね着できる服を用意しておくと快適です。11月や3月は観光客が少なく、航空券やホテルも比較的落ち着いているので、街歩き中心の旅なら狙い目の時期です。2月前後にはカーニバルが開かれ、バレッタやゴゾ島のナドゥールが華やかな雰囲気に包まれます。
季節ごとの具体的なコーディネートはマルタ旅行の服装ガイドにまとめています。教会に入る日は、肩と膝を隠せる羽織りものを1枚バッグに入れておくと困りません。
マルタ旅行は何日あればいい?
移動に往復で2日近くかかるため、現地で丸3日は確保したいところです。目安は次のとおりです。
- 3泊5日:バレッタ、イムディーナ、スリーシティーズを中心に本島の定番を回る最短プラン。ゴゾ島は駆け足になります。
- 4泊6日:本島の主要エリアに加えてゴゾ島日帰りが入る、初めてのマルタ旅行に一番おすすめの日数。
- 6泊以上:ゴゾ島に1〜2泊し、コミノ島のブルーラグーンやダイビングまで楽しめる余裕のある旅程。
ゴゾ島に泊まると、日帰り客が帰った後の静かな夕暮れを味わえます。村ごとの雰囲気の違いはゴゾ島のホテルと村の選び方を参考にしてください。
エリア別 観光ガイド
バレッタ
世界遺産の首都。聖ヨハネ大聖堂(大人15ユーロ)やアッパー・バラッカ・ガーデンなど、徒歩圏内に主要スポットが集まっています。主要な遺跡や博物館の最新チケット情報はHeritage Malta公式サイトで確認できます。
アッパー・バラッカ・ガーデンでは毎日正午に「サルーティング・バッテリー」で祝砲が撃たれるので、時間を合わせて行くと見応えがあります。街のメインストリートであるリパブリック通りは昼間は観光客で混みますが、一本裏の坂道に入ると地元の人が通う小さなパン屋やバーが並んでいます。ランチやディナーの店選びはバレッタのレストランガイドが便利です。

イムディーナ
「静寂の街」と呼ばれる城塞都市で、車の乗り入れがほぼないため石畳の路地をゆっくり歩けます。バレッタからバス(51・52・53番など)で約40〜50分。隣接するラバトには聖パウロのカタコンベがあり、セットで回るのが定番です。日帰り客が引いた夕方以降は特に静かで、城壁からの眺めもきれいに見えます。

スリーシティーズ
ビルグ・セングレア・コスピクアの3つの要塞都市。バレッタからフェリーで約10分と近く、観光客が比較的少なく落ち着いています。ビルグにはマルタ騎士団がバレッタ建設前に拠点を置いた歴史があり、聖アンジェロ砦からはグランド・ハーバー越しにバレッタの全景を望めます。伝統的な小舟「ダイサ」で港を渡るのも旅の思い出になります。
マルサシュロック
カラフルな伝統漁船「ルッツゥ」が浮かぶ漁村で、日曜市場が有名です。バレッタからは81番バスが目安。海沿いには新鮮な魚介を出すレストランが並び、昼食を目当てに訪れる地元客も多いです。近隣には青の洞門やハジャー・イム神殿もあります。青の洞門のボートツアーは波が高い日は運休になるため、午前中の穏やかな時間帯に行くのがおすすめです。
ゴゾ島
本島よりのんびりした空気の島。チッタデッラ要塞、ラムラ・ベイ、ドゥエイラなどが定番スポットです。チルケッワ港からゴゾ・チャンネルのフェリーで片道約25分、往復4.65ユーロ。運賃はゴゾ島から本島へ戻るときに支払う仕組みです。島内はバスの本数が本島より少ないので、効率よく回るならレンタカーや現地ツアーも選択肢になります。
コミノ島
透明度の高いブルーラグーンで知られる小さな島。宿泊施設がほぼないため日帰りが基本です。フェリー往復は13ユーロ前後です。夏の昼間は非常に混み合うので、朝一番の便で渡り、昼過ぎに戻るのが快適に過ごすコツ。島には日陰がほとんどないため、飲み物と日よけを持参しましょう。
フェリーの乗り場や時刻表の調べ方はマルタのフェリー完全ガイドで詳しく解説しています。週末の過ごし方のアイデアを探しているならマルタの週末の過ごし方20選も参考になります。
島内の交通手段
| 手段 | 特徴 | 料金目安 |
|---|---|---|
| 路線バス | 島全体をカバー、遅延することも多い | 1回 冬季2ユーロ/夏季2.5ユーロ |
| フェリー(バレッタ〜スリーシティーズ〜スリーマ) | 渋滞なく移動できる | 片道2〜3ユーロ程度 |
| ゴゾ・チャンネル(本島〜ゴゾ島) | 24時間運航、30分間隔 | 往復4.65ユーロ |
| タクシー・配車サービス | 荷物が多い時や夜間に便利 | 初乗り10ユーロ前後〜 |
| レンタカー | ゴゾ島など郊外を回るなら便利。運転は右ハンドル・左側通行 | 1日30〜45ユーロ程度 |
バスはバレッタのバスターミナルを起点に放射状に路線が延びているので、迷ったらいったんバレッタに戻ると乗り換えが楽です。停留所では手を挙げないと通過されることがあるので、乗りたいバスが見えたら合図をしましょう。数日滞在するなら回数券タイプのカードを使うと1回ごとの支払いより割安になります。正確な最新運賃はMalta Public Transport公式サイトでご確認ください。
バスとレンタカーのどちらが自分の旅に合うかは、マルタのレンタカー完全ガイドで費用や注意点を比較しています。
泊まるエリアの選び方
初めてのマルタ旅行なら、宿泊エリアは大きく2択です。
- バレッタ:歴史地区の中に泊まれ、観光の起点としてバス・フェリーのアクセスが抜群。夜は静かで落ち着いています。
- スリーマ・セントジュリアンズ:ホテルやレストランの選択肢が多く、夜遅くまでにぎやか。バレッタへはフェリーで渡れます。
両エリアの比較はスリーマ・セントジュリアンズのホテルガイドにまとめています。キッチン付きで長めに滞在したい人はアパートとホテルの比較、旅の疲れを癒したい人はマルタのスパホテルガイドも参考にしてください。
モデル旅程(4泊6日)
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 1日目 | 到着、空港からバレッタ・スリーマ方面のホテルへ |
| 2日目 | バレッタ観光(聖ヨハネ大聖堂、アッパー・バラッカ・ガーデン) |
| 3日目 | イムディーナ・ラバト観光、午後はスリーマでカフェ休憩 |
| 4日目 | ゴゾ島日帰り(チッタデッラ、ラムラ・ベイ) |
| 5日目 | マルサシュロック市場、青の洞門、ハジャー・イム神殿 |
| 6日目 | 空港へ、帰国 |
日曜日を5日目に当てるとマルサシュロックの日曜市場に合わせられます。夏ならゴゾ島の日にコミノ島を組み合わせるツアーを使うのも効率的です。スリーシティーズは2日目のバレッタ観光の午後にフェリーで足を延ばすと、無理なく組み込めます。
旅行費用の目安
4泊6日の個人手配で、1人あたり約19万〜32万円が目安です。内訳は航空券12万〜18万円、宿泊費4万〜8万円、食費1.5万〜2.5万円、交通・観光費約3万円です(1ユーロ=185円換算、2026年9月時点)。
費用の中で最も大きいのは航空券なので、出発の数か月前から価格を比較し、需要の高い夏休みや年末年始を避けるだけでも総額は大きく変わります。宿泊費は7〜8月が最も高く、11月〜3月は落ち着く傾向があります。食費はパスティッツィなどのローカルな軽食やスーパーを活用すれば抑えられます。
お土産をまとめ買いする場合は、条件を満たせば付加価値税の払い戻しを受けられることがあります。手続きの流れはマルタの免税手続きガイドで確認してください。

持ち物と出発前の準備
- 変換プラグ:BFタイプ(3ピン)が必要です。
- 日焼け対策グッズ:帽子、サングラス、日焼け止めは季節を問わずあると便利。
- 歩きやすい靴:バレッタやイムディーナは坂と石畳が多く、滑りにくい靴が安心です。
- 羽織りもの:教会見学用と、冷房の効いた室内・冬の夜用に。
- 水着とビーチサンダル:夏はもちろん、5月や10月でも泳げる日があります。
- 虫よけ:夏場は蚊が出ることがあります。対策はマルタの虫対策ガイドを参考にしてください。
世界遺産のハル・サフリエニ・ハイポジウムは1日の入場者数が制限されており、直前ではチケットが取れないことがほとんどです。行きたい人は旅程が決まった時点でHeritage Maltaの公式サイトから予約しておきましょう。子ども連れの旅行を考えている人は、家族滞在の視点をまとめたマルタの家族滞在ガイドも役立ちます。
治安と旅の心得
マルタはヨーロッパの中でも比較的治安が良い国とされていますが、観光地でのスリや置き引きへの注意は他国同様に必要です。バスは時刻表通りに来ないことが珍しくないため、乗り継ぎに余裕を持たせるのがコツです。教会や大聖堂を訪れる際は肩や膝を隠す服装が推奨されます。
夜のセントジュリアンズのパーチャヴィル周辺は週末になるとかなりにぎやかになるので、飲み物から目を離さない、帰りの移動手段を決めておくなど、基本的な注意を忘れずに。日曜日や祝日は商店の営業時間が短くなったり閉まったりすることがあるので、買い物は平日に済ませておくと安心です。
マルタに3年ほど暮らすエマ(Emma, @jecrs687)のInstagramをフォローしておくと、現地の天気やイベント、混雑状況を旅行前に肌感覚でつかめます。ブラジル生まれでイタリア育ち、ITの仕事をしながらマルタで暮らすエマが投稿するストーリーズには、観光客目線では気づきにくい島の日常が映っています。
よくある質問
マルタ旅行は初めてでも大丈夫ですか?
英語が広く通じ、公共交通も整備されているため個人旅行の難易度は高くありません。ただしバスの遅延や夏の暑さなど、事前に知っておくと安心なポイントはあります。
マルタ旅行のベストシーズンはいつですか?
観光中心なら4〜6月・9〜10月が快適です。海水浴も楽しみたいなら6〜9月が適しています。
マルタ旅行の予算はどれくらい必要ですか?
4泊6日の個人手配で1人あたり約19万〜32万円が目安です。航空券が旅費の大きな割合を占めるため、早めの予約が節約のポイントになります。
マルタ旅行は何日あれば楽しめますか?
移動に往復2日近くかかるため、初めてなら4泊6日がおすすめです。本島の主要エリアとゴゾ島日帰りを無理なく回れます。コミノ島やダイビングまで楽しむなら6泊以上あると余裕が出ます。
マルタで海に泳げるのはいつからですか?
一般的には6月から10月ごろが海水浴シーズンです。海水温が最も高くなるのは8〜9月で、5月や10月も天気が良ければ泳げる日があります。
コミノ島のブルーラグーンへはどう行けばいいですか?
本島北部のチルケッワ港やゴゾ島のイムジャール港から小型フェリーが出ており、往復13ユーロ前後が目安です。スリーマやブジバ発の日帰りボートツアーもあります。夏は混み合うので朝早い便がおすすめです。
写真(トップ): Txllxt TxllxT / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0



