マルタ 歴史 簡単に知りたい、という方のための記事です。バレッタの城壁や古い教会を見ても、「いつ、誰が、なぜ」が分からないと、観光の楽しさは半分になってしまいますよね。マルタは地中海の真ん中にあるため、フェニキア人、ローマ、アラブ、ノルマン、聖ヨハネ騎士団、フランス、イギリスと、支配する国が何度も入れ替わってきました。この記事では、その流れを年表でざっくりつかみ、それぞれの時代を今どこで見られるのかまでセットで紹介します。日付は英語版ウィキペディアの記述を基準にし、観光局の年表と違う箇所はその旨を書いています。
マルタの歴史を一言でいうと「地中海の要所をめぐる支配者交代の歴史」です。紀元前の巨石神殿の時代のあと、フェニキア、ローマ、ビザンツ、アラブ(870年)、ノルマン(1091年)と続き、1530年に聖ヨハネ騎士団の島に。1565年のオスマン帝国による大包囲戦を退けて首都バレッタが築かれました。1798年にナポレオンのフランス、1800年からはイギリスの支配。第二次世界大戦の包囲戦を経て、1964年に独立、1974年に共和国、2004年にEU加盟、2008年にユーロを導入しています。
マルタ 歴史 簡単まとめ
マルタの歴史は、大きく分けると次の5つの時代で考えると分かりやすいです。
- 先史時代:英語版ウィキペディアによると、新石器時代は紀元前5400年ごろから。巨石神殿の時代は紀元前3850〜2350年ごろとされています。
- 古代〜中世:紀元前700年ごろのフェニキア人入植から、ローマ、ビザンツ、アラブ、ノルマン(シチリア王国)へ。
- 騎士団の時代(1530〜1798年):聖ヨハネ騎士団が島を治め、1565年の大包囲戦のあとバレッタを建設。
- フランス・イギリスの時代(1798〜1964年):短いフランス支配のあと、イギリスの植民地に。第二次世界大戦では激しい空襲を受けました。
- 独立後(1964年〜):独立、共和国化、EU加盟、ユーロ導入。
この流れを頭に入れておくだけで、旧市街の建物や要塞が「どの時代のものか」がぐっと分かりやすくなります。

年表で見るマルタの歴史
| 年 | できごと |
|---|---|
| 紀元前5400年ごろ〜 | 新石器時代。紀元前3850〜2350年ごろが巨石神殿の時代 |
| 紀元前700年ごろ | フェニキア人が入植 |
| 紀元前218年 | ローマの支配下に |
| 60年 | 使徒言行録に聖パウロの難破の記録(その島をマルタとする伝承) |
| 6世紀 | ビザンツ(東ローマ)の支配 |
| 870年 | アラブ勢力(アグラブ朝)が島を奪う |
| 1091年 | シチリア伯ロジェール1世が侵攻。1127年にノルマン支配が確立 |
| 1530年 | 聖ヨハネ騎士団に与えられる |
| 1565年 | オスマン帝国による大包囲戦(5月18日〜9月8日) |
| 1566年 | バレッタの建設開始 |
| 1798年 | ナポレオンが騎士団からマルタを奪う |
| 1800年 | イギリスの支配が始まる(1814年のパリ条約で確定) |
| 1940〜1942年 | 第二次世界大戦のマルタ包囲戦(1940年6月11日〜1942年11月20日) |
| 1942年 | ジョージ・クロスが授与される |
| 1964年 | イギリス連邦内で独立 |
| 1974年 | 共和国になる |
| 1979年 | 外国軍の基地が閉鎖 |
| 2004年 | EU加盟 |
| 2008年 | ユーロ導入 |
なお、マルタ観光局の年表では、人類の到来を紀元前5200年、巨石神殿の建設を紀元前3200年、フェニキア人の入植を紀元前800年、ノルマンの占領を1090年としていて、英語版ウィキペディアと少しずれています。この記事では英語版ウィキペディアの年を採用しました。
騎士団の時代と大包囲戦
1530年、マルタは聖ヨハネ騎士団(のちのマルタ騎士団)に与えられました。英語版ウィキペディアによると、騎士団は良い港のあるビルグ(Birgu)に拠点を置き、当時の古都はイムディーナ(Mdina)でした。
1565年5月18日、オスマン帝国の大軍が島を包囲します。ヘリテージ・マルタによると、半島の先端に立つ聖エルモ砦は1か月持ちこたえたあと6月23日に陥落しました。それでも騎士団と島の人々は最後まで守り抜き、英語版ウィキペディアによると包囲戦は9月8日に終わっています。翌1566年、騎士団長ジャン・パリゾ・ド・ラ・ヴァレットの名を取った新しい首都バレッタの建設が始まります。騎士団そのものの成り立ちや、現在のマルタ共和国との違いはマルタ騎士団とは|マルタ共和国との違いと史跡で詳しく紹介しています。

第二次世界大戦とジョージ・クロス
1800年からイギリスの支配下に入ったマルタは、地中海の重要な拠点になりました。英語版ウィキペディアによると、第二次世界大戦中のマルタ包囲戦は1940年6月11日から1942年11月20日まで続きます。ヘリテージ・マルタは、1940年6月11日に聖エルモ砦が島で最初の空襲を受けたと紹介しています。
1942年、この苦しい時期を耐えた島全体にジョージ・クロスが授与され、今もマルタの国旗と国章に描かれています。聖エルモ砦の中にある国立戦争博物館は、展示の見どころのひとつとしてこのジョージ・クロスを挙げています。
独立・共和国・EU加盟
マルタは1964年にイギリス連邦内の国として独立し、1974年に共和国になりました。マルタ観光局によると、外国の軍事基地は1979年に完全に閉鎖されています。その後、2004年5月にEUに加盟し、2008年1月にユーロを導入しました。首都や人口、宗教、国旗など今のマルタの基本データはマルタ どこの国?首都・人口・宗教・国旗にまとめています。独立記念日などの祝日と、お店が閉まる日はマルタの祝日2026・2027と店が閉まる日で確認できます。
時代ごとに見に行ける場所
歴史をざっくり押さえたら、実際に足を運んでみるのがいちばんです。時代ごとの代表的なスポットをまとめました。
| 時代 | 見に行ける場所 | ポイント |
|---|---|---|
| 先史時代 | ハジャー・イム(Ħaġar Qim)、ジュガンティーヤ(Ġgantija)など | 巨石神殿群は1980年にユネスコ世界遺産に登録 |
| 古代〜中世 | イムディーナとラバト | 英語版ウィキペディアが「古都」とするイムディーナと、隣のラバト |
| 騎士団の時代 | ビルグ(スリーシティーズ)、バレッタ | 騎士団が拠点を置いた港町と、大包囲戦のあとに築かれた首都 |
| 大包囲戦〜第二次世界大戦 | 聖エルモ砦・国立戦争博物館(バレッタ) | 1552年築の星形の砦。博物館は7,000年分の軍事史を展示 |
聖エルモ砦と国立戦争博物館の大人料金は、ヘリテージ・マルタの公式サイトで10ユーロ(1ユーロ=177.82円、2026年10月16日の欧州中央銀行の参照レートで約1,800円)と案内されています。「イン・グアルディア」という再現イベントのある日は、通常入場が12時以降になるので、公式サイトの日程を確認してから出かけましょう。
巡り方の参考に、バレッタはバレッタ観光モデルコース、ビルグを含む対岸の3つの街はスリーシティーズ観光ガイド、古都はイムディーナ観光ガイドが役立ちます。
「年表は分かったけれど、1日でどう回ればいい?」と迷ったら、マルタに3年住んでいるエマにInstagramでDMしてみてください。行きたい場所や滞在エリアを伝えれば、どこから回るとよいかなど、現地に住む友達として気軽に相談に乗ってくれます。
知っておきたい歴史上の人物
- 聖パウロ:使徒言行録に西暦60年の難破の記録があり、その島をマルタとする伝承があります。マルタ観光局は、パウロがマルタにキリスト教をもたらしたと紹介しています。
- ロジェール1世:1091年にマルタへ侵攻したシチリア伯。ここからシチリアとの長いつながりが始まりました。
- ジャン・パリゾ・ド・ラ・ヴァレット:1557〜1568年の騎士団長。大包囲戦を指揮し、首都バレッタの名前の由来になりました。
- ナポレオン・ボナパルト:マルタ観光局によると、1798年、エジプトへ向かう途中で騎士団からマルタを奪いました。
生活費や暮らしの全体像も知りたい方は、マルタの生活費ガイドもあわせてどうぞ。
主な出典
- Wikipedia — History of Malta
- Wikipedia — Great Siege of Malta
- Wikipedia — Siege of Malta (World War II)
- Wikipedia — Megalithic Temples of Malta
- Wikipedia — Jean Parisot de Valette
- Visit Malta — Timeline
- Visit Malta — History
- Heritage Malta — Fort St Elmo and the National War Museum
- 欧州中央銀行 — ユーロ参照レート
最終確認: 2026-10-18
よくある質問
マルタの歴史を簡単に教えて?
巨石神殿の先史時代のあと、フェニキア、ローマ、アラブ、ノルマンと支配者が変わり、1530年から聖ヨハネ騎士団、1798年にフランス、1800年からイギリスの支配を受けました。1964年に独立し、2004年にEUに加盟しています。
マルタ 歴史 年表は?
主な年は、870年アラブ、1091年ノルマン侵攻、1530年騎士団、1565年大包囲戦、1798年フランス、1800年イギリス、1964年独立、1974年共和国、2004年EU加盟、2008年ユーロ導入です。
マルタの歴史上の人物は?
難破の伝承が残る聖パウロ、1091年に侵攻したロジェール1世、大包囲戦を指揮しバレッタの名前の由来となった騎士団長ラ・ヴァレット、1798年に島を奪ったナポレオンなどが知られています。
マルタはいつ独立した?
1964年にイギリス連邦内の国として独立し、1974年に共和国になりました。
歴史を感じられる観光スポットは?
世界遺産の巨石神殿群、古都イムディーナ、騎士団が拠点にしたビルグ、首都バレッタ、聖エルモ砦の国立戦争博物館などがあります。博物館の大人料金は公式サイトで10ユーロと案内されています。
歴史をたどる1日コースはエマにDM
神殿、要塞、旧市街。どこから回るか迷ったら、マルタに3年住んでいるエマに聞いてみてください。行きたい場所を伝えれば、現地の友達目線で気軽に相談に乗ってくれます。DMにはたいてい数分で返信があります。
アイキャッチ写真: John Haslam / Wikimedia Commons · CC BY 2.0



