マルタ 冬 寒いと感じるかどうかは、実は気温の数字だけでは決まりません。地中海性気候のマルタは1〜2月でも平均最高気温16℃前後と、日本の冬ほど冷え込むわけではないのに、「部屋の中が外より寒い」と感じる留学生・移住者は少なくありません。理由は気温ではなく住宅の作りにあります。この記事ではWikipedia「Climate of Malta」の気温・湿度データと、マルタの不動産会社RE/MAX Maltaが公開している冬の暖房対策記事をもとに、暖房なしの部屋でどう乗り切るかをまとめました。
マルタの冬(12〜2月)は平均最高気温16〜17℃台とそれほど低くありませんが、湿度が年間を通じて高く12月は平均79%(朝は83%)まで上がります。石造りの住宅には中央暖房がほとんど備わっておらず、代わりにエアコンの暖房モードや電気ヒーターが主流です。加えて雨も多い時期(12月は月間107.7mm、1月は94.7mm)で、壁が湿気を吸って室内が「気温以上に寒い」と感じやすくなります。換気・除湿・厚手カーテン・重ね着で対策しつつ、内見時に暖房設備の有無を必ず確認するのが失敗しないコツです。
「地中海=暖かい」の落とし穴 — 気温より室内
Wikipedia「Climate of Malta」のバルザン観測地点データによると、マルタの平均最高気温は1月16.1℃、2月16.0℃、12月17.5℃で、平均最低気温も1月10.3℃、2月9.9℃、12月11.9℃です。数字だけ見れば日本の冬よりずっと穏やかに思えます。ところが同じ資料は、年間平均湿度76%のうち12月は79%(朝は83%、夕方でも73%)まで上がると記録しており、この湿度の高さが体感温度を大きく下げます。マルタ生活全体の季節感はマルタの月別気温と服装ガイドで旅行者向けにまとめていますが、この記事ではその先にある「室内の寒さ」という、長く住む人だけが直面する論点を扱います。
マルタの家に暖房がない理由
マルタの不動産会社RE/MAX Maltaが公開している冬の暖房対策記事は、「マルタの石造りの建物には中央暖房(セントラルヒーティング)がほとんど備わっておらず、代わりにエアコンの暖房モードが使われ、余裕があれば薪ストーブを設置する家もある」と説明しています。マルタの伝統的な建物は現地産の石灰岩(グローブジーナ・ストーンなど)を使って建てられており、夏の強い日差しを遮る一方で、冬は壁自体が冷気と湿気を溜め込みやすい構造です。中央暖房が普及しなかったのは、そもそも氷点下になるような厳冬期がほとんどなく、暖房への投資優先度が低かった地域性が背景にあると考えられます。マルタのすべての物件に暖房がないわけではありませんが、「中央暖房がある物件のほうが少数派」というのが実情です。
エアコンの暖房モードで足りるのか
多くのアパートではエアコン(A/C)が唯一の暖房手段になります。夏の冷房と同じ機器を暖房モードで使う仕組みで、部屋全体をじんわり暖めるというより、機器の近くを効率よく暖める性質のものです。天井が高い建物や、複数の部屋がある広めの住宅では、南向きの部屋は暖かくても北向きの部屋だけ極端に寒いということも珍しくありません。RE/MAX Maltaのガイドも「すべての部屋が南向きとは限らず、同じ階でも寒い部屋と暖かい部屋が背中合わせに存在しうる」と指摘しています。内見のときはリビングだけでなく、寝室や北向きの部屋にもエアコンや暖房器具が備わっているかを確認しておくと安心です。
電気代はどう動くか
暖房をエアコンや電気ヒーターに頼る以上、冬は電気の使用量が夏の冷房シーズンと同じように増える傾向があります。具体的な電気料金の単価や段階制の詳細はここでは扱いません(電力会社の料金ページを確認できていないため)。生活費全体の中で光熱費をどう見込むかはマルタの生活費ガイドで紹介している範囲を目安にしつつ、冬場は暖房の使用時間が増える分、他の月より電気代が上振れする可能性があると考えておくと安心です。
結露とカビの出方、置き場所
湿度の高さと石壁の性質が組み合わさると、窓まわりや北向きの壁に結露が出やすくなります。RE/MAX Maltaのガイドは、北向きで湿気が多く、しかも1階にある部屋は特に冷えやすいと指摘しており、そうした部屋では除湿機の使用を勧めています。除湿機は数時間動かすだけで体感的に部屋が暖かく感じられるとされていますが、就寝中に同じ部屋で稼働させ続けるのは避けるようにとも書かれています。家具や衣類をカビから守るためには、外壁に接する壁際に大きな家具をぴったり付けず、少し隙間を空けて空気が通るようにしておくのも効果的です。体調面でカビが直接どの症状に結びつくかはケースバイケースのため、心配な場合は自己判断せず、マルタの病院・薬局ガイドを参考に医療機関へ相談してください。

部屋探しのときに聞くべきこと
内見の段階でヒーターの有無を聞き忘れると、入居してから冬に後悔しがちです。物件探しの基本的な流れや契約時の注意点はマルタの部屋探しガイドにまとめていますが、冬支度の観点では特に次の項目を確認してください。
| 確認項目 | なぜ効くか |
|---|---|
| 各部屋にエアコン(暖房モード対応)があるか | リビングだけで寝室にない物件も多い |
| 窓が二重窓(複層ガラス)かどうか | 単層ガラスは隙間風と結露が出やすい |
| 床がタイルか大理石か、カーペットがあるか | 石床は素足で歩くとかなり冷たい |
| 部屋の向き(南向きか北向きか) | 北向きは日照が少なく冷えやすい |
| 除湿機や除湿ボックスの持ち込み可否 | 湿気対策の自由度に関わる |
買い足すと効くもの
RE/MAX Maltaのガイドが挙げている実用的な対策は次のとおりです。まず、家を締め切ったままにせず、毎日短時間でも窓を開けて空気を入れ替えること。湿気を含んだ空気を入れ替えるだけで体感的な寒さが和らぐとされています。次に、北向きで湿気が多い部屋には除湿機を置くこと。カーテンは薄手より厚手・二重仕立てのものが効果的で、化学繊維より天然素材のほうが保温性に優れるとされています。大理石やタイルの床には、カーペットや木製のフローリングマットを敷くと底冷えが和らぎます。予算に余裕があれば、薄い外壁の内側に石膏ボードを重ねる断熱リフォームや、二重窓への交換も選択肢に入ります。ドアや窓の隙間はすきま風の原因になるため、丸めたタオルや毛布を隙間に詰めるだけでも体感が変わります。膝掛けやフリースブランケットを部屋のあちこちに置いておくのも、地味ですが効果的な方法です。

冬に体調を崩したら
室内の底冷えや結露は、風邪をひきやすくなる一因になり得ます。持病がある人や体調を崩しやすい人は、暖かい部屋と寒い部屋の温度差にも注意してください。マルタでの受診の流れや薬局の使い方はマルタの病院・薬局ガイドで解説しているので、冬に体調を崩したときの参考にしてください。賃貸契約時に暖房設備について事前に確認しておくと、こうしたトラブルの多くは未然に防げます。契約前のチェックポイントはマルタの家探し詐欺ガイドにある一般的な注意点ともあわせて確認しておくと安心です。
主な出典
- Wikipedia「Climate of Malta」(気温・降水量・湿度データ、バルザン観測地点)
- RE/MAX Malta「How to keep your home warm all through the cold season」(暖房事情・室内対策の具体例)
最終確認: 2026年9月21日
よくある質問
マルタの冬はどのくらい寒いですか?
平均最高気温は1〜2月でも16℃前後で、日本の冬ほど冷え込みません。ただし湿度が高く雨も多いため、室内では気温以上に寒く感じることがあります。
マルタの家に暖房はありますか?
中央暖房(セントラルヒーティング)がない物件が多く、エアコンの暖房モードや電気ヒーターで代用するのが一般的です。
エアコンの暖房モードだけで足りますか?
機器の近くは暖まりますが、部屋全体、特に北向きの部屋までは行き届きにくいことがあります。厚手カーテンや除湿機との併用がすすめられています。
冬は電気代が上がりますか?
暖房をエアコンや電気ヒーターに頼るため、使用量が増える傾向はあります。具体的な料金単価はこの記事では扱っていないため、生活費全体の目安の中で見込んでおくと安心です。
結露やカビは出ますか?
湿度の高さと石造りの壁の性質から、特に北向きや1階の部屋で結露が出やすいとされています。除湿機の使用や換気が対策として紹介されています。
冬の部屋探しで何を確認すればいいですか?
各部屋のエアコンの有無、窓が二重窓かどうか、床の素材、部屋の向き、除湿機の持ち込み可否の5点を内見時に確認しておくと安心です。
何月から寒くなるか、エマに聞いてみる
データだけでは分からない「実際に何月あたりから肌寒くなるか」は、3年住んでいる人の感覚が参考になります。エマはスウィーイに3年住んでいて、内見でヒーターの有無を聞き忘れそうなときも、気軽に聞いてみてください。
アイキャッチ写真: Kritzolina / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0



