語学学校が突然閉校したら?EC閉校から学ぶマルタ留学で自分を守る7つのチェックポイント【2026年】
2026年9月14日、マルタ・セントジュリアンズに校舎を持つ大手語学学校EC英語学校は、世界7カ国(マルタ、イギリス、アイルランド、カナダ、アメリカ、南アフリカ、UAE)に展開する25校すべてを閉校し、正式な経営破綻・管理・清算手続き(insolvency, administration and/or winding-up processes)を開始すると、公式サイトで発表しました。9月10日に案内された週末(9月12〜13日)の新規学生の到着受け入れ停止からわずか数日後、2026年9月14日(月)に授業と会社としての事業が停止した形です。詳しい経緯はEC English全校閉校・倒産手続き開始の最新まとめ記事で解説していますが、すでに航空券や滞在先を手配していた学生の中には、出発直前に「行っても大丈夫なのか」と不安を抱えた人も少なくありませんでした。
ECは1991年にマルタで創業し、世界140カ国以上から年間約4万人が通う、業界でも知名度の高い学校でした。つまり「有名で大きい学校だから安全」という基準だけでは、今回のような事態を避けられなかったということです。実際に学生を支えたのは、学校そのものの規模や歴史ではなく、各国の協会が持つ支援ネットワークでした。マルタではFELTOM加盟校同士で学生の転校先を調整する動きがあり、イギリスではEnglish UKのStudent Emergency Support(SES)を通じて約370人の学生が追加の学費なしで他の加盟校で学習を継続できるよう支援され、カナダではLanguages CanadaのeCAP(Education Completion Assurance Plan)を通じて、トロント・バンクーバーの375人とモントリオールの約40人を対象に25以上の加盟プログラムが受け入れ枠を提供しました。すでに予約済みの人向けの対応は予約済みの人がすぐやるべきことをまとめた記事にまとめているので、まずはそちらを確認してください。この記事では、これから学校を選ぶ人が同じような事態に巻き込まれないために、契約前・出発前に確認しておきたい7つのチェックポイントを整理します。
学校の規模や知名度だけでは安全性は判断できません。2026年9月のEC英語学校の全校閉校でも、実際に学生を助けたのは学校自体ではなく、各国の協会が持つ支援ネットワークでした。①ELT Councilのライセンス、②支払い方法(できればクレジットカード・短期分割)、③返金・キャンセル規定、④閉校時に協会・学校がどのように学生を保護する仕組みを持っているか、⑤出発前2週間の学校ニュース確認、この5つを契約前と出発前の2段階で確認すれば、閉校リスクの多くはカバーできます。
1. ELT Councilのライセンスを確認する
マルタで語学学校を運営するには、ELT Council(マルタの語学教育規制機関)からライセンスを取得する必要があります。公式にライセンスを受けている学校の一覧はELT Council公式サイトのライセンス校リストで確認できます。申込み前に、候補校の名前がこのリストに載っているかを必ずチェックしてください。ライセンスは学校が教育面の最低基準を満たしている証明ではありますが、経営状態や資金繰りまでを保証するものではない、という点も覚えておく必要があります。

2. FELTOM加盟は「閉校を防ぐ保証」ではない
マルタ語学学校協会FELTOMへの加盟は、学校選びの参考情報としてよく紹介されます。ただし、FELTOMのような業界団体があっても、ECのような大手校の閉校そのものを防ぐことはできなかった、というのが2026年9月の事実です。一方で、FELTOMは9月11日の時点で「学生の利益を守るためEC英語学校や他の関係者と協力している」とコメントし、9月14日の閉校発表後には、マルタで学んでいた学生をFELTOM加盟の13校(Alpha School of English、AM Language、BELS Gozo、BELS Malta、Berlitz English Language Academy、Cavendish School of English、Clubclass English Language Campus、Easy School of Languages、European School of English、IELS、inlingua School of Languages、NSTS English Language Institute、Sprachcaffe Languages Plus)に振り分け、追加費用を最小限またはゼロで学習を継続できるよう調整する、という実際の動きが生まれました。
ただし、この対応はイギリスのEnglish UK「Student Emergency Support(SES)」やカナダのLanguages Canada「eCAP(Education Completion Assurance Plan)」のように、あらかじめ制度化された学費保護の仕組みとは性格が異なる可能性があります。マルタでの今回の対応が今回限りの調整なのか、今後同様の仕組みとして運用されるのかは、2026年9月15日時点では明らかになっていません。FELTOMの会員情報はFELTOM公式サイトで確認できますが、「加盟しているから絶対安全」ではなく、申込み前に学校またはFELTOMに「閉校した場合、学生はどのように保護されますか」と書面で確認しておくことをおすすめします。
| 国 | 協会 | EC閉校時の実際の対応 |
|---|---|---|
| マルタ | FELTOM | 加盟13校が学生の転校先を調整(追加費用は最小限〜なしを目標) |
| イギリス | English UK(SES) | 約370人の学生が追加学費なしで他の加盟校で学習を継続できるよう支援 |
| カナダ | Languages Canada(eCAP) | トロント・バンクーバーの375人とモントリオールの約40人を対象に、25以上の加盟プログラムが受け入れ枠を提供 |
3. 支払いはクレジットカードで、できれば分割にする
学費や滞在費の支払い方法は、想像以上にリスク管理に直結します。銀行振込や現金での一括前払いは、学校側に何かあった場合に取り戻す手段が限られます。一方でクレジットカード決済であれば、サービスが提供されなかった場合にカード会社を通じてチャージバック(支払い取消し)を申請できる可能性があります。可能であれば4週間など短い単位で区切って分割払いにし、ハイシーズンの早期割引や長期一括払いの誘惑に安易に乗らないことも大切です。値引きの大きさと前払いの長さは、リスクの大きさとほぼ比例すると考えておくと判断しやすくなります。
実際に、今回のEC閉校では、前払いしていた学費の返金手続きについて、2026年9月15日時点で公式な案内はまだ発表されていません。清算手続きの結果次第という状況が続いています。学費を長期間・一括で前払いすることのリスクは、まさにこうした場面で表面化するということを覚えておいてください。
4. 返金・キャンセル規定を契約前に読む
契約は「学校側の利用規約」と、エージェントを使う場合は「エージェント側の規約」という二重構造になっていることが多く、それぞれに別の返金条件が書かれているケースがあります。契約前に、①いつまでにキャンセルすれば何%返金されるか、②学校側の都合で開講できなくなった場合の規定があるか、③返金は誰が(学校かエージェントか)実行するのか、この3点を必ず確認してください。規定が見当たらない、または曖昧な場合は、申込み前に書面での回答をもらうくらいの慎重さがちょうどいいです。
5. エージェントを使うなら責任範囲と実体を確認する
留学エージェントは日本語でのサポートが受けられる分、心理的な安心感につながりますが、エージェント自体が学校の経営状況まで保証してくれるわけではありません。エージェントを使う場合は、会社としての実体(法人登記や運営年数、日本国内オフィスの有無)と、学校に何かあった場合にエージェントとしてどこまで対応してくれるのか(代替校の紹介まで、返金の代行までなど)を事前に聞いておくと安心です。手数料無料をうたうエージェントほど紹介できる学校が限られている場合もあるため、複数校を比較して提案してもらえるかも確認するポイントです。
6. 海外旅行保険が学校閉校を補償するか確認する
「保険に入っているから大丈夫」と思っていても、多くの海外旅行保険・留学保険は、学校側の経営破綻や運営停止による損失を補償の対象外としています。加入前に約款の「対象外事項(除外事項)」の項目まで目を通し、学校閉校が明記されているかを確認してください。多くの場合、保険よりもクレジットカード決済によるチャージバックのほうが現実的な回収手段になります。保険は主に病気・ケガ・盗難などのためのものと理解し、学費そのものの保全は支払い方法で対策する、という考え方が現実的です。
7. 出発前2週間は学校ニュース・公式SNSをチェックする
今回のECのケースでは、業界メディアが報じてから実際に学生が影響を受けるまでの時間がとても短かったのが特徴でした。出発前2週間は、学校の公式サイトや公式SNSに加えて、業界の英語ニュースサイトも見ておくと早い段階で異変に気づけます。特にPIE Newsのような留学業界専門メディアや、マルタの現地ニュースサイトは、学校側の動きをいち早く報じることがあります。日本語の情報だけに頼らず、英語のニュースソースも一つチェックする習慣をつけておくと安心です。
今回のEC閉校をいち早く報じたメディアとしては、留学業界の専門メディアであるThe PIE Newsに加えて、マルタ現地のNewsbookとLovin Maltaが挙げられます。日本語での報道が出るまでには時間差が生じることが多いため、これらのメディアをブックマークしておくのもおすすめです。
問題が起きたときの連絡先
実際に学校側の対応に不安が出た場合、まず確認したい窓口を整理しておきます。
- ELT Council Malta(規制機関):info.eltcouncil@gov.mt / +356 2598 1240
- FELTOM(業界団体):info@feltom.com / +356 2131 0927
- Malta ECC(欧州消費者センター)のチャージバック案内:eccnetmalta.gov.mt/chargeback。クレジットカード決済のチャージバック手続きの一般的な進め方がまとめられています。
- 在マルタ日本国大使館:緊急時の在留邦人向け相談窓口として、パスポートや安全確認の相談ができます(学費トラブルそのものの解決を代行する窓口ではない点に注意してください)。
いずれも「学費を必ず取り戻せる」と保証する窓口ではありませんが、初動でどこに連絡すればいいか分からず時間を無駄にすることを避けられます。
チェックリストまとめ
| 項目 | 確認方法 | いつ |
|---|---|---|
| ELT Councilライセンス | 公式リストで学校名を検索する | 候補校を絞る段階 |
| FELTOM加盟の位置づけ | 加盟=絶対安全ではないと理解する | 学校を比較する段階 |
| 支払い方法 | クレジットカード・短期分割を選べるか確認する | 申込み・契約時 |
| 返金・キャンセル規定 | 学校規約とエージェント規約の両方を確認する | 契約書に署名する前 |
| エージェントの実体 | 法人情報・対応範囲を質問する | エージェント選定時 |
| 保険の適用範囲 | 約款の除外事項に学校閉校があるか確認する | 保険加入時 |
| 直前の学校ニュース | 公式SNSと英語ニュースサイトを確認する | 出発前2週間 |
マルタに3年住んでいるエマ(Emma, Instagram @jecrs687)も、学校の雰囲気や現地での噂は生徒の口コミからいちばん早く伝わってくると話しています。契約前に気になる学校があれば、紹介料なしで正直な感想をDMで聞けることもあるので、出発前の最終チェックとして活用してみてください。
学校選びの基本や比較はマルタ語学学校の比較記事、費用の内訳はマルタ留学の費用を期間別に解説した記事、留学全体の流れはマルタ留学 完全ガイドでそれぞれ詳しく確認できます。
主な出典
公式発表
- EC English — “EC English Language Centres to wind down”(2026年9月14日) ecenglish.com
- Languages Canada — “Languages Canada Statement on EC English” languagescanada.ca
- English UK — “Student Emergency Support” englishuk.com
- FELTOM feltom.com / ELT Council Malta eltcouncil.gov.mt
業界専門メディア
- The PIE News — “EC English closes all global schools”(2026年9月14日) thepienews.com
- The PIE News — “EC English halts new student arrivals worldwide this weekend”(2026年9月10日) thepienews.com
- StudyTravel Network — EC English関連ニュース studytravel.network
マルタ現地メディア
- Newsbook — “EC announces closure citing challenging financial situation”(2026年9月14日) newsbook.com.mt
- Newsbook — “EC English halts new student arrivals worldwide”(2026年9月11日) newsbook.com.mt
- Lovin Malta — “EC English to close all schools worldwide with teaching stopping immediately” lovinmalta.com
- The Malta Post — “EC English shuts down globally: 100 Malta jobs lost as students seek transfers”(2026年9月15日) themaltapost.com
参考(非公式・留学エージェントによる解説)
- note「留学のひろこ」— EC閉校についての日本語解説 note.com
最終確認:2026年9月15日
更新履歴:2026-09-11 初回公開 · 2026-09-15 EC全校閉校・倒産(破産)手続き開始を反映
よくある質問
語学学校が閉校した場合、学費は戻ってきますか?
学校側の対応や支払い方法によって異なります。2026年9月のEC英語学校の閉校でも、前払いしていた学費の返金手続きは2026年9月15日時点で公式に発表されていません。クレジットカード決済であればチャージバックを申請できる場合がありますが、保証されるものではありません。返金・キャンセル規定は契約前に必ず確認してください。
大手の学校を選べば安全ですか?
学校の規模や知名度は、必ずしも安全性の指標にはなりません。2026年9月14日、35年の歴史を持ち世界7カ国に25校を展開していたEC英語学校が、全校閉校と経営破綻・清算手続きの開始を発表しました。規模や歴史があっても閉校を避けられなかった実例です。ライセンスや支払い方法、閉校時の学生保護の仕組みなど複数の観点から確認することが大切です。
FELTOMに加盟していれば安心ですか?
FELTOM加盟は一定の業界基準を満たしている参考情報ですが、経営状況までを保証する制度ではありません。今回のEC閉校でもFELTOMは閉校そのものを防げませんでしたが、閉校後に加盟校同士で学生の転校先を調整する実例が生まれました。ライセンスの有無や実際の口コミと合わせて判断してください。
すでに申込み・支払いを済ませている場合はどうすればいいですか?
まずは学校からの公式な連絡を確認し、エージェント経由の場合はエージェントにも同時に連絡してください。具体的な対応手順は「予約済みの人がすぐやるべきこと」の記事にまとめています。
ECが閉校したとき、学生はどう保護されましたか?
国ごとの協会のネットワークによって対応が分かれました。マルタではFELTOM加盟校が学生の転校先を調整し、イギリスではEnglish UKのStudent Emergency Support(SES)で約370人が追加学費なしで他の加盟校で学習を継続できるよう支援され、カナダではLanguages CanadaのeCAPでトロント・バンクーバーの375人とモントリオールの約40人を対象に25以上の加盟プログラムが受け入れ枠を提供しました。一方で、学費の返金手続き自体は2026年9月15日時点でEC側から公式に発表されていません。
写真(トップ): Anton Zelenov / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0



