ヨーロッパ周遊にマルタを2〜3日組み込む方法【2026年】
イタリアやスペインを回るヨーロッパ周遊の途中、地図で南に目をやると、シチリア島のさらに南に小さな島国マルタがある。ヨーロッパ周遊にマルタを組み込む旅行者が増えている理由は、南イタリアからなら1時間前後、ローマからでも1時間半ほどのフライトで、青い海と中世の街並みという他のヨーロッパ主要都市にはない景色に出会えるからだ。この記事では、周遊ルートにマルタを2〜3日組み込む方法と、アクセス、モデル日程をまとめた。
3行で分かるマルタの組み込み方
①ローマやミラノ、カターニアなどヨーロッパ本土からLCCやKM Malta Airlinesで直行便がある。②2泊3日あればバレッタとゴゾ島またはビーチのどちらかを組み込める。③シチリア島からはフェリーという選択肢もあり、船旅を楽しみたい人にはこちらもおすすめ。マルタはシェンゲン圏なので、周遊全体の滞在日数にカウントされる点だけ注意。
なぜマルタを組み込むのか
ヨーロッパ周遊というと、パリやローマ、バルセロナといった大都市を巡るのが定番だが、そこにマルタを足すと旅の印象がぐっと変わる。城壁に囲まれた首都バレッタの街並み、地中海らしい透明な海、石灰岩でできた断崖など、大陸のヨーロッパにはない景色が短期間で味わえる。都市規模も小さいため、2〜3日の短い滞在でも「行った感」を得やすいのもマルタを組み込むメリットだ。英語が公用語のひとつなので、イタリアやスペインで言葉に苦労したあとだと、ここだけ急に旅がイージーモードになるという副産物もある。
ヨーロッパ本土からのアクセス
マルタには日本からの直行便はなく、ヨーロッパ本土や中東を経由するのが基本になる。ヨーロッパ周遊の途中で立ち寄る場合は、マルタのフラッグキャリアであるKM Malta Airlinesと複数のLCCが本土との直行便を運航している。KM Malta Airlinesは2024年3月31日に運航を開始し、経営難が続いていたエア・マルタを引き継いだ航空会社で、2026年時点でローマ(フィウミチーノ)、ミラノ(リナーテ)、ロンドン(ヒースロー/ガトウィック)、パリ、ウィーン、チューリッヒ、アムステルダム、マドリード、そしてシチリア島のカターニアとパレルモなど17都市を結んでいる。
フライト時間の目安は、カターニアやパレルモなど南イタリアからが1時間弱、ローマからが1時間半前後、ミラノやパリからが2時間台、ロンドンからが3時間台。どのルートも日帰り移動が現実的な距離なので、「周遊のうち中2日だけマルタ」という組み方が無理なく成立する。実際の所要時間と運航スケジュールは航空会社の公式サイトで確認してほしい。日本からの行き方全般は「マルタへの行き方ガイド」で乗り継ぎルートを比較しているので、周遊全体のスケジュールを組む際の参考にしてほしい。

シチリア島からフェリーで渡る
イタリア・シチリア島を周遊ルートに含めているなら、フェリーでマルタへ渡るという選択肢もある。Virtu Ferriesがシチリア島南東部のポッツァッロとマルタを結ぶ高速船を運航しており、飛行機より時間はかかるものの、地中海を船で渡る体験そのものを楽しみたい旅行者に人気だ。車を積める便もあるため、シチリアでレンタカーを借りている場合はそのまま持ち込めるのも利点。運航日と時刻は季節で変わるので、公式サイトで必ず最新のスケジュールを確認してほしい。詳しいルートや所要時間は「シチリア島からマルタへのフェリーガイド」で紹介している。
シェンゲン圏としてのマルタ
周遊プランを組むうえで見落とされがちなのが、マルタがシェンゲン圏に含まれるという点だ。つまりイタリアやフランスからマルタへ移動しても、入国審査は原則なく(そのぶん移動は楽だが)、日本のパスポートで滞在できる「180日のうち90日」という上限にはマルタでの日数もそのままカウントされる。長期の周遊を計画している人は、マルタの2〜3日も日数計算に入れておくこと。ルールの数え方は「シェンゲン90日ルールの数え方」で詳しく解説している。
裏を返せば、シェンゲン圏内の移動なので国内線に近い感覚で乗れるということでもある。チェックインの締切時間だけは各航空会社の規定に従い、LCCの場合は預け荷物の追加料金も事前に確認しておこう。
2〜3日のモデル日程
2泊3日なら、1日目に到着してバレッタ観光、2日目にゴゾ島日帰りまたは北部ビーチ、3日目に空港へ向かうという流れが組みやすい。3泊4日に延ばせるなら、イムディーナやマルサシュロックの朝市も組み込める。マルサシュロックの市場は日曜がメインなので、日程が合うなら日曜を狙うと満足度が上がる。逆にセントジョンズ共同大聖堂は日曜・祝日が休館なので、バレッタ観光は平日か土曜に置くのが鉄則だ。バレッタの回り方は「バレッタ観光モデルコース」、旅行全体の費用感は「マルタ旅行1週間の費用の内訳」も参考にしてほしい。

マルタ到着後の移動
マルタ国際空港から市内への移動は、路線バスかタクシーアプリが基本になる。急行系のTallinja Direct(TD)は、Malta Public Transport公式サイトで2026年9月時点に空港発着として案内されているのがTD1(空港↔ラバト↔ブジッバ↔メリーハ↔チルケワ)、TD2(空港↔サンジワン↔セントジュリアンズ↔ペンブローク、循環)、TD3(空港↔セントジュリアンズ↔スリーマ↔グジラ↔イムシーダ)、TD4(空港↔バレッタ、ゴゾ行き高速フェリー乗り場にも接続)、TD5(空港↔ラバト↔ブジッバ)の5路線。ほかにTD10(バレッタ↔マルサシュロック、日曜のみ)、TD13(バレッタ↔ブジッバ)もある。空港発でセントジュリアンズやパーチャビルに泊まるならTD2、スリーマならTD3、バレッタならTD4が使える。TDの運賃は現金€3.00〜(TD1は€3.50〜)/Tallinjaカード€1.50で、一般路線(冬季€2.00/夏季€2.50)とは別料金だ。TDはあくまで空港との往復に使う急行便で、市内での日常の移動は番号付きの通常路線バスが基本になる。
荷物が多い場合はタクシーアプリを利用する旅行者も多く、料金はアプリ上で事前に確認できます。空港からのアクセスやバスの乗り方は「マルタ空港ガイド」でも詳しく解説している。バスの到着時刻はGoogle Mapsだと実際とずれていることが多いため、公式のtallinjaアプリで確認するのがおすすめだ(停留所をタップすればリアルタイムの到着時刻が分かる)。短期滞在で主要スポットだけを回るなら、路線バスとタクシーアプリの組み合わせで十分に周遊できる。

周遊プランを組むコツ
- マルタ発着のLCCは早朝・深夜便が多いため、前後の都市での宿泊日程に余裕を持たせておくと安心。
- 短期滞在ならスリーマやセントジュリアンズを拠点にすると、バレッタへのフェリーやバス、空港アクセスのバランスが良い。
- 荷物を最小限にしておくと、空港からホテル、観光地への移動がスムーズになる。マルタは石畳と坂が多く、大きなスーツケースは想像以上に不利。
- マルタ滞在日数もシェンゲンの90/180日にカウントされることを忘れずに。
- 季節による気温差は大きいので、渡航時期の服装は「マルタ旅行のベストシーズンガイド」で確認しておきたい。
短期間でマルタを効率よく回りたいときは、現地在住の人に聞くのが一番早い。マルタ在住のエマ(Instagram @jecrs687)は周遊で立ち寄る旅行者からのDMにも普段から返信しており、直前の質問先として活用している人も多い。マルタでの長期滞在に興味が出た人は「マルタに住むメリット・デメリット」も読んでみると視野が広がる。
よくある質問
マルタは何日あれば楽しめる?
2泊3日あればバレッタとゴゾ島、または北部のビーチのどちらかを組み込んだ周遊が可能です。3泊4日あればイムディーナやマルサシュロックまで無理なく回れます。
ヨーロッパ本土からマルタへはどう行く?
マルタのフラッグキャリアKM Malta Airlines(2024年3月にエア・マルタを引き継いで運航開始)が、ローマ、ミラノ、ロンドン、パリ、カターニア、パレルモなど17都市と直行便を結んでいます。複数のLCCも就航しており、南イタリアからは1時間弱、ローマからは1時間半前後が目安です。
シチリア島からフェリーでも行ける?
はい。Virtu Ferriesがシチリア島南東部のポッツァッロとマルタを結ぶ高速船を運航しています。飛行機より時間はかかりますが、車を積める便もあり、船旅を楽しみたい人には選択肢の一つです。運航日は季節で変わるので公式サイトで確認してください。
マルタ滞在はシェンゲンの90日にカウントされますか?
はい。マルタはシェンゲン圏に含まれるため、日本のパスポートで滞在できる「180日のうち90日」という上限にマルタでの日数もカウントされます。長期の周遊を計画している場合は日数計算に必ず含めてください。
マルタ滞在中の移動はレンタカーとバス、どちらがいい?
短期滞在で主要スポットだけ回るなら路線バスとタクシーアプリの組み合わせで十分です。ゴゾ島やビーチ巡りを効率よく回りたいならレンタカーも検討の価値があります。
空港からホテルまでどう移動する?
2026年9月時点で空港発の急行Tallinja DirectはTD1〜TD5の5路線あり、セントジュリアンズ・パーチャビル方面はTD2、スリーマ方面はTD3、バレッタ方面はTD4が使えます。運賃は現金€3.00〜(TD1は€3.50〜)/Tallinjaカード€1.50です。行き先によっては一般路線バスへの乗り継ぎが必要になる場合もあります。荷物が多い場合はタクシーアプリを使う旅行者も多く、料金は事前にアプリ上で確認できます。
まとめ
ヨーロッパ周遊にマルタを組み込むなら、2〜3日という短い日程でも十分に満足できる。ローマやシチリア島からのアクセスの良さを活かして、バレッタとゴゾ島、あるいはビーチをどちらか選んで組み込むのが効率的だ。空港からの足はTD1〜TD5のどれが使えるかで宿の選び方も変わるので、そこだけは先に決めておきたい。ゴゾ島の日帰り・1泊プランは「ゴゾ島1泊2日観光ガイド」、旅行カテゴリ全体はこちらから確認できる。
写真(トップ): Txllxt TxllxT / Wikimedia Commons · CC BY-SA 4.0



